下半身の筋肉を鍛える8つのメリット|おすすめの筋トレメニューも紹介

筋トレをしている人の中には、「上半身ばかり鍛えているけど、下半身も鍛えるべきなのか」「下半身の筋肉を鍛えるメリットってあるのだろうか」と疑問を抱く方もいるでしょう。

上半身の筋肉は鍛えることが特に目立つ部分であるため、下半身よりも上半身を集中して鍛える人の方が圧倒的に多いです。

しかし、下半身の筋肉を鍛えることで様々なメリットが得られるので、下半身の筋トレも同時に取り組むのがおすすめです。

本記事では、下半身を鍛えるメリットや下半身を構成している筋肉の種類、下半身を効果的に鍛える筋トレメニューなどについて詳しく紹介していきます。

下半身を構成している筋肉

そもそも下半身は、

  • 大腿四頭筋
  • ハムストリングス
  • 大臀筋
  • 下腿三頭筋

という4つの大きな筋肉で構成されています。

まずは、それぞれの筋肉がどこにあるのか、どのような特徴や働きがあるのかを紹介します。。

大腿四頭筋

大腿四頭筋は太ももの前面にある筋肉であり、大腿直筋・中間広筋・外側広筋・内側広筋の4つで構成されています。

股関節や膝を曲げたり伸ばす働きがあり、ほとんどのスポーツや競技において重要になる筋肉でもあります。

大腿四頭筋は人体の筋肉の中で最も大きい筋肉であるので、鍛えることで基礎代謝を大幅に高められたり、競技やスポーツのパフォーマンスが向上しやすくなります。

ハムストリングス

ハムストリングスは太ももの後面にある筋肉であり、大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋の3つで構成されています。

膝を曲げる動作に関与しており、鍛えることで脚を蹴り出す力が強くなります。

大腿四頭筋とハムストリングスのどちらかにトレーニングが偏ると肉離れを起こしやすくなるため、注意が必要です。

大臀筋

大臀筋はお尻を広く覆っている筋肉であり、人体の筋肉の中で2番目の大きさを誇ります。

股関節をサポートする役割があるため、お尻の筋肉が衰えると歩行に支障が出たり、階段が登れなくなるといった悪影響を及ぼします。

大臀筋を鍛えるとお尻が持ち上がったり、ウエストが引き締まりやすくなるので、ダイエットをしている方は優先して鍛えるのがおすすめです。

下腿三頭筋

下腿三頭筋はふくらはぎにあたる筋肉であり、ヒラメ筋・腓腹筋の2つで構成されています。

走ったりジャンプをする際に使われており、下半身の血液を上半身に送るポンプのような役割を果たしていることから、「第二の心臓」と呼ばれています。

鍛えることで全身の血液循環が良くなったり、健康増進作用などがあるため、非常に重要な筋肉です。

下半身の筋肉を鍛える8つのメリット

ここからは、下半身の筋肉を鍛えることで得られるメリットを8つ紹介します。

多くのメリットがあるので、筋トレのモチベーションアップに繋がるでしょう。具体的なメリットは以下の通りです。

・太りにくい体質に変化する
・上半身とのバランスがよくなる
・パフォーマンス向上に繋がる
・姿勢が改善される
・疲れにくくなる
・骨密度が増える
・関節を保護できる
・精神力が鍛えられる

太りにくい体質に変化する

下半身には大腿四頭筋やハムストリングス、大臀筋など、人体の中でも非常に大きい筋肉が含まれています。

大きい筋肉を鍛えるほど基礎代謝が高まるため、体全体の約7割の筋肉量を占めている下半身を鍛えることで、基礎代謝が大幅に高まります。

基礎代謝が高まると

  • 1日に消費されるカロリーが増える
  • 脂肪がエネルギーに分解されやすくなる

ようになるため、太りにくく痩せやすい身体を手に入れることが期待されます。

上半身とのバランスがよくなる

筋トレをしている多くの人は、カッコいい身体になりたいという気持ちが強いあまり、上半身の筋肉ばかりを鍛えがちです。

上半身を集中して鍛えて発達させると、全く鍛えていない下半身は成長した上半身に見合ってないため、体全体のバランスがとても悪くなります。

もちろん、下半身は鍛えないといけないというルールは存在しませんが、体全体のシルエットやバランスを整えるためにも、上半身と下半身のトレーニングはバランスよく行うのが理想です。

パフォーマンス向上に繋がる

普段からスポーツや競技に取り組んでいる方は、下半身のトレーニングを取り入れるのが必須です。

下半身は唯一地面と繋がっているため、スポーツにおいて高いパフォーマンスを発揮させるためには、「地面を踏ん張った力をいかに上半身に伝えられるか」が重要になります。

下半身の筋力が弱ければ、それだけ上半身に上手く力を伝えることができなくなるので、下半身を鍛えることでスポーツのパフォーマンスアップに繋がります。

姿勢が改善される

下半身の筋トレには体幹に大きい刺激が与えられる種目が多く、さらに大きい筋肉が含まれているため、高重量を扱うトレーニングも少なくありません。

例えばバーベルを扱うスクワットでは、大腿四頭筋やハムストリングス、大臀筋などを鍛えるだけでなく、正しいフォームを維持するために体幹も意識する必要があります。

そのため、下半身のトレーニングでは体幹部の筋肉にも大きい刺激が入り、それが姿勢の改善に繋がります。

疲れにくくなる

下半身は常に地面と接している部分であるため、下半身をしっかりと鍛えることで、鍛える以前よりも疲労を感じにくくなります。

例えば、階段を上り下りするときや、床から重い荷物を持ち上げたりするときなど、下半身の筋力が強ければ体が楽に動くでしょう。

下半身の筋肉の中でも、下腿三頭筋を鍛えると全身の血行が良くなるため、疲れが早くとれるようになります。

骨密度が増える

筋肉と同様に、年齢を重ねるごとに骨の骨密度も低下していきます。

骨を強くするためには、カルシウムを摂取するのが一般的ですが、運動をして骨に刺激を与えることでも骨密度を増やすことが可能です。

特に、骨の長軸方向(縦の力)に大きな負荷がかかるスクワットは、骨の強化に有効なトレーニングになります。

関節を保護できる

年をとるごとに膝や腰などに痛みを感じる方が増えますが、これは関節自体の問題だけでなく、下半身の筋力低下も原因の一つです。

下半身の筋肉は股関節や膝関節とつながっているため、下半身を全く鍛えていないと筋力が低下し、関節にかかる負担が増えて痛みを引き起こします。

普段から下半身を鍛えて強化することで、関節を保護して痛みを防ぐことができます。

精神力が鍛えられる

下半身には全身の約7割の筋肉が含まれているため、上半身のトレーニングよりも重い重量を扱うことができます。

そのため、下半身のトレーニングは上半身のトレーニングよりも大きいパワーが必要になり、非常にキツいものになります。

これが嫌で下半身のトレーニングを敬遠している人も多いですが、このキツさを耐え切ることで、少なからず精神力は強くなります。

下半身のトレーニングを習慣化すると、「下半身のトレーニングに比べたら楽だな」と、上半身のトレーニングの強度や質を高めることにも繋がるでしょう。

下半身を効果的に鍛える筋トレメニュー6選

最後に、下半身の筋肉を効果的に鍛えられる筋トレメニューを紹介します。

自分に合ったトレーニング種目を選び、下半身を効率よく鍛えていきましょう。

①ランジ
②ボックスジャンプ
③ブルガリアンスクワット
④ジャンピングスクワット
⑤バーベルスクワット
⑥ヒップスラスト

①ランジ

ランジは前に深くしゃがみこむ動作を繰り返すトレーニングであり、筋力の足りない初心者や女性におすすめです。

実際に行ってみると意外とキツいですが、脚の筋肉を満遍なく鍛えることができます。

やり方

①両足を肩幅くらいに開いて立つ
②視線は正面に向け、背中を真っすぐ伸ばす
③片足を大きく前に踏み出し、腰を深く落としていく
④膝を90度まで曲げたら、前脚で床を踏ん張り元の位置まで戻る
⑤脚を切り変えて、同じように行う

✓ポイント
・お尻を後方に引くイメージを意識する
・膝とつま先は同じ方向に向ける
・できるだけ深くしゃがみこむ

✓セットの組み方
「左右合わせて30回以上を1セット」として、3セット行う
各セットできるだけ限界まで追い込む

②ボックスジャンプ

ボックスジャンプは箱や台の上にジャンプをして乗ることで、下半身を鍛えるトレーニング種目です。

高く飛び跳ねるジャンプ力が必要になりますが、続けることで瞬発力の向上が期待されます。

やり方

①箱や台を用意する
②両足を肩幅くらいに開いて、箱の前に立つ
③膝を曲げて、腕を振る反動を利用してジャンプする
④足の裏全体で箱に着地する
⑤床に降りたら、再びジャンプする

✓ポイント
・両腕の振りを上手く利用する
・箱や台を高くしすぎない
・なるべく高く飛び上がるように意識する

✓セットの組み方
「15回以上を1セット」として、3セット行う
各セットできるだけ限界まで追い込む

③ブルガリアンスクワット

ブルガリアンスクワットは後ろの足をベンチに乗せ、前足のみでスクワットを行うトレーニングです。

左右の筋肉をバランスよく鍛えることができるほか、腰を痛めにくいというメリットもあります。

やり方

①ベンチや椅子を用意し、その上に後ろ足の甲を乗せる
②膝が90度に曲がっても膝がつま先よりも前に出ない位置に、前足を構える
③背中を真っすぐ伸ばし、両手は胸の前で合わせる
④前足の膝を曲げて、上体を深く下ろしていく
⑤膝が90度になるまで下げたら、膝を伸ばして元の位置まで戻る

✓ポイント
・できるだけ腰を深く落とす
・前足に重心を乗せる
・背中を丸めない

✓セットの組み方
「左右各10回以上を1セット」として、3セット行う
各セットできるだけ限界まで追い込む

④ジャンピングスクワット

ジャンピングスクワットはその名の通り、スクワットに飛び跳ねる動作を加えたトレーニング種目です。

かなり負荷が大きいですが、ふくらはぎの部分を重点的に鍛えることができ、基礎体力やジャンプ力の向上が期待されます。

やり方

①両足を肩幅くらいに開いて、真っすぐ立つ
②膝を曲げて、腰を軽く落とす
③腕を振る反動を利用して、真上に高くジャンプする
④膝を軽く曲げて、衝撃を抑えながら着地をする
⑤着地を終えたら、再び素早くジャンプする

✓ポイント
・つま先で地面を押す
・膝を曲げすぎない
・テンポよく行う

✓セットの組み方
「15回以上を1セット」として、3セット行う
各セットできるだけ限界まで追い込む

⑤バーベルスクワット

バーベルスクワットは下半身トレーニングの中で最も人気のある種目で、下半身の筋肉を高負荷で鍛えることができます。

非常にキツいトレーニングですが、消費カロリーが高く、筋力向上だけでなくダイエットにも向いています。

やり方

①パワーラックにバーベルをかけて、重さを調整する
②僧帽筋の上部にバーを乗せ、ラックからバーを外す
③両足を肩幅くらいに開き、胸をしっかりと張る
④つま先はやや外側に開いて、目線は正面に向ける
⑤膝を曲げて、腰を深く落としていく
⑥太ももが地面と平行になるまで落としたら、膝を伸ばして元の位置まで戻る

✓ポイント
・お尻を突き出すように腰を落とす
・背中を丸めない
・体幹部に力を入れる

✓セットの組み方
1セット目→アップセットとして、少し重い重量で20回以上行う
2~3セット目→メインセットとして、8~12回で限界がくる重量で行う

⑥ヒップスラスト

ヒップスラストはお尻の大臀筋を高負荷で鍛えられるトレーニングです。

バーベルとベンチが必要になりますが、お尻や太ももを引き締めるのに効果的です。

やり方

①ベンチを身体に対して横に向けて、背中をつける
②肩幅くらいに両足を開いて、膝を90度に曲げる
③バーベルを足の付け根から股関節辺りに乗せて、順手で軽く握る
④地面を足裏で押しながら、腰を上げてバーを持ち上げていく
⑤肩と腰、膝が床と水平になるまで上げたら、少し静止する
⑥膝を曲げて、腰を落としていく

✓ポイント
・お尻をギュッと締めるイメージを意識する
・胴体が一直線になるまで腰を上げる
・つま先と股関節は45度ほどに開ける

✓セットの組み方
1セット目→アップセットとして、少し重い重量で20回以上行う
2~3セット目→メインセットとして、8~12回で限界がくる重量で行う

まとめ

今回は、下半身の筋肉を鍛えるメリットや下半身のおすすめの筋トレメニューを紹介しました。

下半身のトレーニングはかなりキツいですが、下半身を鍛えることで痩せやすくなったり、運動能力が高まったりと、様々なメリットを得ることができます。

上半身ばかり鍛えて下半身をあまり鍛えていない方は、下半身のトレーニングも同時に取り組んでみましょう。