大胸筋を集中して鍛えるダンベルメニュー10選|大胸筋を鍛えるメリットやポイントも紹介

大胸筋のトレーニングは数多くあり、ダンベルを活用して鍛えることができます。

両手が自由に動くため、可動域が広いトレーニングで大胸筋に強烈な刺激を与えられるというメリットがあります。

また、ダンベルをうっかり落としても怪我のリスクが小さいため、筋トレ初心者でも気軽に取り組みやすいです。

本記事では、大胸筋の特徴やダンベルを使って大胸筋を鍛えるメリット、大胸筋を鍛えるダンベルトレーニングなどについて詳しく紹介していきます。

大胸筋の概要

大胸筋とは胸の前に位置している筋肉であり、上半身を形成する筋肉の中で最も強大です。

上部・中部・下部という3つのパートに分かれており、

・大胸筋上部:斜め上方に腕を押し出す
・大胸筋中部:前方で腕を閉じる
・大胸筋下部:斜め下方に腕を押し出す

という役割をそれぞれが担っています。

また、大胸筋は胸板を形成したり、バストの形に影響を与えているため、男女ともに大胸筋を鍛えるトレーニングは人気があります。

大胸筋を鍛えることで、

  • 分厚い胸板を手に入れる
  • 基礎代謝が向上する
  • スーツが似合うようになる
  • 押し出す力が強くなり、筋トレの質が上がる

など、ボディメイクだけでなく日常生活においてもメリットがあるため、普段から大胸筋を鍛えることは大切です。

ダンベルを使って大胸筋を鍛えるメリット

次に、ダンベルを使って大胸筋を鍛えるトレーニングには、どのようなメリットがあるのか紹介します。具体的なメリットは以下の通りです。

・大胸筋のバランスが整う
・可動域が広がる

大胸筋のバランスが整う

バーベルを使った大胸筋のトレーニング、例えばベンチプレスやインクラインベンチプレスなどでは、左右の筋肉に同時に負荷がかかります。

しかし、大胸筋の左右で筋力差があった場合、強い側の筋肉が弱い側の筋肉をかばう形となるため、弱い側には負荷がかかりにくくなります。

その結果、筋力が強い側の筋肉が一方的に発達していき、アンバランスな大胸筋に仕上がります。

一方で、ダンベルを使ったトレーニングでは片手ずつ持って行います。

大胸筋の左右で筋力差があったとしても、均等に負荷をかけることができるため、形の整った大胸筋を手に入れることが期待されます。

可動域が広がる

バーベルやマシンを使ったトレーニングは、軌道があらかじめ固定されており、可動域が狭いという特徴があります。

一方で、ダンベルを活用したトレーニングは両手を自由に動かすことができるため、可動域が広がります。

可動域とは?

可動域とは関節が動く範囲のことであり、最も大きく動かせる範囲を最大可動域と呼ばれている。可動域が広がると、筋肉への刺激が伝わりやすくなり、トレーニング効果が高まる。

可動域の広いトレーニングができると、より大胸筋への刺激や負荷が高まるため、効率のよい筋肥大へと繋がります。

ダンベルで大胸筋を鍛えるときの3つのポイント

ここでは、ダンベルを使った大胸筋のトレーニングを行うときのポイントについて紹介します。

間違った方法で取り組むと、トレーニング効果が半減するだけでなく、大胸筋の発達が遅れる原因にもなるので、確認しておきましょう。

・部位ごとに鍛える
・適切な重量のダンベルを扱う
・正確なフォームを意識する

部位ごとに鍛える

上記でも解説しましたが、大胸筋は上部・中部・下部という3つの部位で構成されています。

また、一般的に大胸筋のトレーニングは中部を鍛えるものが非常に多く、ほとんどの人が中部ばかりを鍛えがちです。

中部ばかりを鍛えていると、上部と下部との発達に差が出てくるため、大胸筋の見栄えが悪くなります。

綺麗な大胸筋に仕上げるためにも、上部・中部・下部それぞれをバランスよく鍛えることが大切です。

適切な重量のダンベルを扱う

適切なダンベルの重さは一人一人の筋力や筋量、筋トレの目的によって異なるため、正確な重量を決めるのはできません。

しかし、ここでは筋肉の発達(筋肥大)が目的であり、かなり重いダンベルを使いましょう。

トレーニング種目にもよりますが、目安として8~12回で限界がくる重量が理想です。

  • 1セット目→少し重い重量で20回以上のウォーミングアップを行う
  • 2~3セット目→メインセットとして、8~12回程度で限界がくる重量で行う

1種目あたり、このような流れで取り組みましょう。扱う重さに慣れてきたら、重量を重くしていきます。

正確なフォームを意識する

ダンベルを使ったトレーニングでは、正しいフォームで行うことが重要です。

間違ったフォームではターゲットとする筋肉に効かせられず、筋肉も発達しにくくなります。

また、関節や筋肉に余計な負担がかかるため、それが続いていると怪我のリスクも高まります。

重量を追求したい気持ちも分かりますが、あくまでも目的は筋肉を鍛えることなので、正しいフォームで丁寧に取り組みましょう。

大胸筋を鍛えるダンベルメニュー10選

ここからは、大胸筋を集中して鍛えられるダンベルメニューを紹介します。

トレーニングごとで動作の流れやポイント、セットの組み方について解説しているので、確認しておきましょう。

①ワンハンドローダンベルフライ
②ダンベルフライ
③ワンアームダンベルフライ
④ダンベルベンチプレス
⑤インクラインダンベルフライ
⑥インクラインダンベルベンチプレス
⑦デクラインダンベルベンチプレス
⑧フロアダンベルフライ
⑨フロアダンベルプレス
⑩ダンベルプルオーバー

①ワンハンドローダンベルフライ

まず紹介するのが、ワンハンドローダンベルフライという種目です。

ベンチを用意する必要がなく、立ったまま取り組めるというメリットがあります。

やり方

①両手にダンベルを握り、直立する
②胸を軽く張り、背筋は真っすぐ伸ばす
③片側の手を前に伸ばし、ダンベルを持ち上げる
④反対側の手も同様に行う
⑤以上の動作を繰り返す

✓ポイント
・手の平を前方に向ける
・ダンベルを上げすぎない
・身体を真っすぐ保つ

✓セットの組み方
1セット目→アップセットとして、少し重い重量で20回以上行う
2~3セット目→メインセットとして、10~15回で限界がくる重量で行う

②ダンベルフライ

ダンベルフライはベンチに寝転がり、ダンベルを向かい合わせるように持ち上げるトレーニングです。

肘の力を使えないため、重い重量は扱えませんが、大胸筋の中部内側を重点的に鍛えることができます。

やり方

①ダンベルを両手に握り、ベンチに仰向けに寝転がる
②腕を伸ばして、ダンベルが向かい合いように構える
③両手を開いて、ダンベルを下ろしていく
④弧を描くように、肘が床と垂直になるまでダンベルを持ち上げる
⑤以上の動作を繰り返す

✓ポイント
・肘は軽く曲げて固定する
・肩甲骨を寄せる
・肩をすくめない

✓セットの組み方
1セット目→アップセットとして、少し重い重量で20回以上行う
2~3セット目→メインセットとして、10~15回で限界がくる重量で行う

③ワンアームダンベルフライ

通常のダンベルフライは両手で行いますが、ワンアームダンベルフライは片手のみで行います。

トレーニング時間は少し長くなりますが、片側の動作に集中できるため、大胸筋により効かせることができます。

やり方

①ダンベルを片手に握り、ベンチに仰向けに寝転がる
②腕を伸ばして、ダンベルを構える
③脇を開き過ぎないように、ダンベルを下ろしていく
④ダンベルを持ち上げる
⑤反対側も同様に行う

✓ポイント
・身体を傾けない
・肘を曲げすぎない
・適切な重量を扱う

✓セットの組み方
1セット目→アップセットとして、少し重い重量で20回以上行う
2~3セット目→メインセットとして、10~15回で限界がくる重量で行う

④ダンベルベンチプレス

大胸筋を鍛えるダンベルトレーニングの定番であるのが、ダンベルベンチプレスです。

大胸筋を高負荷で鍛えることができ、三角筋や上腕三頭筋にも負荷がかかります。

やり方

①両手にダンベルを握り、ベンチに仰向けに寝転がる
②腕を伸ばして、ダンベルを胸の前で構える
③肘を曲げて、ダンベルを下ろしていく
④肘を伸ばして、ダンベルを持ち上げる
⑤以上の動作を繰り返す

✓ポイント
・左右のバランスを保つ
・両足で地面をしっかり踏ん張る
・ダンベルを強く握らない

✓セットの組み方
1セット目→アップセットとして、少し重い重量で20回以上行う
2~3セット目→メインセットとして、8~12回で限界がくる重量で行う

⑤インクラインダンベルフライ

インクラインダンベルフライは30~45度に角度をつけたベンチに寝転がり、フライ動作を行う種目です。

インクラインベンチが必要になりますが、大胸筋の上部を集中して鍛えることができます。

やり方

①ベンチを30~45度に調整する
②ダンベルを両手に握り、ベンチに寝転がる
③腕を伸ばし、ダンベルが向かい合いように構える
④両手を開くように、ダンベルを下ろしていく
⑤ダンベルを持ち上げる
⑥以上の動作を繰り返す

✓ポイント
・常に肘は軽く曲げる
・胸をしっかりと張る
・トップポジションでダンベルをぶつけない

✓セットの組み方
1セット目→アップセットとして、少し重い重量で20回以上行う
2~3セット目→メインセットとして、10~15回で限界がくる重量で行う

⑥インクラインダンベルベンチプレス

インクラインダンベルベンチプレスはインクラインベンチに座り、ダンベルを上下に動かします。

大胸筋上部を高負荷で鍛えることができ、ここが発達すると、Tシャツが似合うような身体になります。

やり方

①ベンチを30~45度に調整する
②両手にダンベルを握り、ベンチに仰向けに寝転がる
③肘を曲げて、ダンベルを構える
④肘を伸ばして、ダンベルを持ち上げる
⑤以上の動作を繰り返す

✓ポイント
・ダンベルは身体と平行にする
・肘は常にダンベルの真下にあるように意識する
・胸を張る

✓セットの組み方
1セット目→アップセットとして、少し重い重量で20回以上行う
2~3セット目→メインセットとして、8~12回で限界がくる重量で行う

⑦デクラインダンベルベンチプレス

デクラインダンベルベンチプレスは頭の位置が脚よりも下にくるように、傾斜をつけたベンチに寝転んで行います。

大胸筋下部が高負荷で鍛えられ、ここが発達すると、胸板の厚さをより際立たせることができます。

やり方

①頭の位置が脚よりも下になるように、ベンチの角度を調整する
②両手にダンベルを握り、ベンチに仰向けに寝転がる
③腕を伸ばし、ダンベルを構える
④肘を曲げて、ダンベルを下ろしていく
⑤以上の動作を繰り返す

✓ポイント
・身体を真っすぐキープする
・ダンベルを垂直に上げる
・肩をすくめない

✓セットの組み方
1セット目→アップセットとして、少し重い重量で20回以上行う
2~3セット目→メインセットとして、8~12回で限界がくる重量で行う

⑧フロアダンベルフライ

フロアダンベルフライは床で行うダンベルフライのことです。

ベンチが必要ないため、自宅でも気軽に取り組めます。

やり方

①床にマットなどを敷く
②ダンベルを両手に握り、マットの上に膝を曲げて寝転がる
③腕を伸ばし、ダンベルが向かい合うように構える
④両手を開けるように、肘が床と平行になるまでダンベルを下ろしていく
⑤弧を描くように、ダンベルを持ち上げる
⑥以上の動作を繰り返す

✓ポイント
・肩甲骨を寄せる
・腕の力を使わない
・手首を反らさない

✓セットの組み方
1セット目→アップセットとして、少し重い重量で20回以上行う
2~3セット目→メインセットとして、10~15回で限界がくる重量で行う

⑨フロアダンベルプレス

フロアダンベルプレスはフロアダンベルフライ同様、床で寝転んで行います。

通常のダンベルフライよりも重量は落ちますが、その分、大胸筋への意識を高めることができます。

やり方

①ダンベルを両手に握り、マットなどの上に寝転がる
②膝を軽く曲げる
③腕を伸ばし、ダンベルを構える
④肘を曲げて、ダンベルを下ろしていく
⑤肘を伸ばし、ダンベルを持ち上げる
⑥以上の動作を繰り返す

✓ポイント
・胸を張る
・なるべくダンベルを高く上げる
・肘を開きすぎない

✓セットの組み方
1セット目→アップセットとして、少し重い重量で20回以上行う
2~3セット目→メインセットとして、8~12回で限界がくる重量で行う

⑩ダンベルプルオーバー

ダンベルプルオーバーはベンチに頭と肩甲骨だけを乗せ、ダンベルを振り下ろすように動かします。

大胸筋を強烈にストレッチさせることができ、胸板の厚みを出すのに効果があります。

やり方

①ベンチを横向きに向けて、頭と肩甲骨をベンチにつける
②膝を曲げて、背筋を真っすぐ伸ばす
③両手で一つのダンベルを握り、腕を伸ばして構える
④肘を曲げて、背伸びをするようにダンベルを後方に下ろしていく
⑤肘を伸ばして、ダンベルを胸の前まで持ち上げる
⑥以上の動作を繰り返す

✓ポイント
・バランスを崩さない
・肘の角度を変えない
・大きい動きを意識する

✓セットの組み方
1セット目→アップセットとして、少し重い重量で20回以上行う
2~3セット目→メインセットとして、10~15回で限界がくる重量で行う

まとめ

今回は、ダンベルを使った大胸筋のトレーニングや大胸筋の特徴、トレーニングを行うメリットなどについて解説しました。

大胸筋は上半身の中でもかなり目立つ筋肉であり、高負荷のダンベルトレーニングを取り入れることで、より逞しい胸板を手に入れることができます。

普段から腕立て伏せばかりを行っている方は、ダンベルを活用した種目にもステップアップしていきましょう。