タバタ式トレーニングの効果的なやり方|メリットやおすすめのメニューも紹介

タバタ式トレーニングは1日4分間という短時間でできる運動でありながら、筋力や心肺機能の向上、脂肪燃焼の促進、記憶力アップなどの効果が見込まれます。

短い時間で終わらせるので、仕事や家事で忙しくて時間がなかったり、長時間の運動が苦手な方でも、継続して取り組めば着実に身体は変化していきます。

本記事では、タバタ式トレーニングの概要やメリット、タバタ式トレーニングに適したメニューなどについて詳しく紹介していきます。

タバタ式トレーニングの概要

タバタ式トレーニングとは、立命館大学スポーツ健康科学部長の田畑氏が考案したトレーニング方法です。

負荷の高い運動を20秒間行い、その後10秒間休む」というサイクルを1セットとして、これを8セット行います。

たった4分間で本当に効果があるのか疑問が浮かぶかもしれませんが、筋肉や身体にかかる負荷が非常に高く、終える頃には息をするのもキツい状態になるでしょう。

しかし、筋力や心肺機能の向上、持久力アップ、脂肪燃焼の促進といった効果が期待されており、一般人だけでなく多くのアスリートも実践しています。他にも、メリットとして

  • 週に3回程度でOK
  • 自宅で気軽に取り組める
  • 特別な器具が必要ない
  • 怪我のリスクが低い

などが挙げられ、継続しやすいトレーニングでもあります。

HIIT(ヒット)との違い

HIITは高強度で一定の休憩時間をとるトレーニングであり、タバタ式トレーニングと似ていますが、全くの別物です。

タバタ式トレーニングHIIT
運動強度の指標酸素摂取量心拍数
運動時間20秒様々
休憩時間10秒様々
セット数8セット様々
休憩方法完全に休む低強度で動き続ける
合計時間4分間30分以内

タバタ式トレーニングはHIITの理論に基づいて考案されたトレーニング方法で、運動中の時間やセット数が決まっています。

一方で、HIITは理論であり、運動方法に明確な時間などが決まっていません。

つまり、「HIITは戦略、タバタ式トレーニングは手段」であり、HIITの一つにタバタ式トレーニングが含まれていると覚えておくとよいでしょう。

タバタ式トレーニングの効果

ここでは、タバタ式トレーニングを行うことで得られる効果について紹介します。

キツい運動になりますが、たった4分間のトレーニングで様々な効果が期待されています。具体的な効果は以下になります。

・筋力がアップする
・心肺機能が向上する
・持久力が高まる
・太りにくい体質に変化する
・記憶力が向上する

筋力がアップする

タバタ式トレーニングはたった4分間の運動でありながら、一般的な筋トレよりも筋肉にかなりの負荷がかかります。

一度行うだけでも筋肉痛になることもあり、それだけ筋力を増強させることができます。

筋力が向上すると、基礎代謝も高まってカロリー消費が多くなるため、太りにくく痩せやすい身体を手に入れる効果も期待されます。

心肺機能が向上する

タバタ式トレーニングは、20秒間で息が軽く切れる程度のトレーニングを8セット行うのが基本です。

体内に酸素を取り込んで使い、10秒間の休憩を挟むというサイクルを繰り返すことで、心肺機能を向上させる効果が期待されます。

心肺機能が高まると、陸上や水泳、サッカーなどのスタミナを必要とするスポーツにおいて、体力をより持続させることができます。

持久力が高まる

タバタ式トレーニングは多くの酸素を取り込むため、一般的な筋トレとは異なり、無酸素運動と有酸素運動の両方の側面を持っています。

有酸素運動によって得られる効果としては、持久力を高めることができ、長時間継続して運動を続けられる能力が向上します。

これにより、日常生活では疲れにくい身体に変化したり、より長い距離を歩けることができるようになります。

太りにくい体質に変化する

有酸素運動と無酸素運動を繰り返すタバタ式トレーニングを行うことで、内臓の機能が飛躍的に高まります。

内臓機能が高まると、体内の脂肪が燃焼されやすくなるので、内臓脂肪を減少させる効果が見込まれます。

内臓脂肪が多いと内臓機能が低下して、糖尿病や動脈硬化などの、いわゆる生活習慣病のリスクが高まります。健康を維持するためにも、タバタ式トレーニングは身体によい影響を与えてくれます。

記憶力が向上する

タバタ式トレーニングのような高強度インターバルトレーニングを行うと、脳由来神経栄養因子であるBDNFの分泌量が上昇します。

BDNFは大脳皮質、海馬、大脳基底核を活性化する働きがあるため、脳の記憶力が高まる効果が期待されます。

脳の記憶力が高まると、勉強や仕事のパフォーマンスアップにも繋がるので、普段からタバタ式トレーニングを行うとよいでしょう。

タバタ式トレーニングの効果を高める4つのポイント

タバタ式トレーニングは短時間で終わりますが、効果を高めるポイントがいくつかあります。

トレーニング効果を最大限引き出すためにも、以下のポイントを意識して取り組みましょう。

・毎日行わない
・全力を出し切る
・6~12週間は継続する
・水分をしっかり補給する

毎日行わない

運動をやり始めた頃は気持ちが高まるため、毎日取り組んでしまう人もいます。

しかし、タバタ式トレーニングはかなり強度が高いため、、毎日行うとオーバートレーニングになり、怪我のリスクが高まります。

タバタ式トレーニングは1週間のうち3回程度に抑えて、安全に続けることを意識して取り組みましょう。

全力を出し切る

タバタ式トレーニングでは、とにかく全力を出し切ることが大切です。

全力を出し切らなければ、それだけ身体や筋肉にかかる負荷が減少するので、本来の効果を得られません。

タバタ式トレーニングを終えたとき、立って歩くのが苦しいほど疲労困憊になるように、全力を出し切りましょう。

6~12週間は継続する

どのトレーニングでも同様のことがいえますが、効果が現れるまでには時間がかかります。

例えば、筋肉をつけるのを目的に筋トレを始めた場合、目に見えて変化するのは、最低でも3か月経った後です。

タバタ式トレーニングの場合だと、人によって差はありますが、最低でも6~12週間は続ける必要があります。

しかし、タバタ式トレーニングは運動にかける時間や回数は少なく短いので、途中でリタイアする人はあまりいないのが現状です。

水分をしっかり補給する

タバタ式トレーニングは負荷が高いので、想像している以上に汗をかきます。

水分補給を疎かにしていると、目まいや吐き気、頭痛などの症状が現れやすくなり、パフォーマンスが低下してしまいます。

熱中症や脱水症状に陥らないためにも、水分はトレーニングの前後にしっかりと補給しましょう。

タバタ式トレーニングに取り入れたいおすすめのメニュー7選

最後に、タバタ式トレーニングに取り入れるべきトレーニングを紹介します。

これ以外にも数多くのトレーニングが存在するので、自分に合ったものを選んで取り組みましょう。

①プッシュアップ
②ジャンピングランジ
③ジャンピングスクワット
④ハイニー
⑤マウンテンクライマー
⑥バーピージャンプ
⑦ジャンピングジャック

①プッシュアップ

やり方

①床にうつ伏せになり、手幅が肩幅の1.5倍程度になるように、肩の真下に両手をおく
②つま先たちになるように両足をつけ、肩幅よりも少し狭く両足を開ける
③頭からかかとまでを一直線に伸ばし、目線は斜め前に向ける
④肘が外に開かないように、肘を曲げて上体を下ろしていく
⑤胸が床につく直前まで下ろしたら、元の位置まで上体を持ち上げる

プッシュアップは腕立て伏せのことであり、誰しもが一度は取り組んだことがあるでしょう。

大胸筋をメインに、三角筋の前部や上腕三頭筋など、上半身の筋肉を満遍なく鍛えることができます。

✓ポイント
・お尻を上下に動かさない
・身体は一直線にキープする
・腹筋に力を入れる

②ジャンピングランジ

やり方

①両足を閉じた状態で立つ
②片方の足を前に出し、前側の膝を曲げてしゃがむ
③ジャンプをすると同時に、前足を後ろに、後ろ足を前に入れ替える
④後ろの膝が床につくまで、腰を深く落とす

ジャンピングランジは、足を交互に入れ替えながらジャンプを行うトレーニングです。

バランスを維持するのが難しいですが、下半身の筋力の向上や瞬発力の強化におすすめです。

✓ポイント
・テンポよく行う
・顔は常に正面に向ける
・なるべく腰を深く落とす

③ジャンピングスクワット

やり方

①肩幅くらいに両足を開いて立つ
②膝を曲げて、太ももが床と平行になるまで腰を落とす
③腕を振り、足を伸ばすと同時に真上にジャンプする
④着地と同時に膝を曲げ、素早くジャンプをする

ジャンピングスクワットは、通常のスクワットにジャンプ動作を取り入れた種目です。

トップクラスの強度を誇りますが、下半身だけでなく全身に大きく効かせることができます。

✓ポイント
・膝を曲げすぎない
・腕の反動を活用する
・つま先で地面を押す

④ハイニー

やり方

①背筋を真っすぐ伸ばし、両手は自然と下ろしておく
②息を吐きながら、右足を高く上げる
③息を吸いながら、右足を下ろす
④同じように、左足を高く上げて下ろす
⑤その場で走るように、右足と左足を交互に入れ替える

ハイニーは太ももを高く上げる動作を繰り返すトレーニング種目です。

全力で行うとかなりキツいですが、シンプルな動作なので取り組みやすいです。

✓ポイント
・背中を反らさない
・太ももは常に高く上げる
・視線は正面に向ける

⑤マウンテンクライマー

やり方

①腕立て伏せをするように、両手を肩幅よりも広げて床につける
②つま先立ちになるように足をつけ、体を真っすぐキープする
③右足の膝をお腹に向けて動かし、胸の真下に膝がくるまで引き寄せる
④右足を元の位置まで戻すと同時に、左足の膝を同様に胸の真下まで引き寄せる
⑤右足→左足→右足→左足と足を入れ替える

マウンテンクライマーは腹直筋大臀筋をメインに、全身を鍛えらえれるトレーニングです。

しっかりと負荷をかけることができるため、ある程度慣れてきても継続してほしいメニューです。

✓ポイント
・足は素早く入れ替える
・背中を丸めない
・なるべく顔は前に向ける

⑥バーピージャンプ

やり方

①両足を肩幅くらいに開き、背中を真っすぐ伸ばして立つ
②両手を床につけ、しゃがむような体勢になる
③そのまま勢いよく両足を後ろに動かし、腕立て伏せの腕を伸ばした状態にする
④両足を引き寄せて、しゃがんだ状態に戻る
⑤両手を上に上げながら、真上に高くジャンプをする

バーピージャンプは全身の筋肉を使った高強度のトレーニングです。

腕立て伏せ、スクワット、ジャンプの一部の動作が含まれているため、高い脂肪燃焼の効果が期待されます。

✓ポイント
・しっかり伸ばしきる
・視線は正面に向ける
・慣れたら腕立て伏せを行なう

⑦ジャンピングジャック

やり方

①両足を閉じて真っすぐ立ち、両手は自然と体の横に下ろしておく
②軽くジャンプをして両足を開き、それと同時に両手を高く上げる
③両手と両足を素早く閉じて、元の位置に着地する

ジャンピングジャックはその名の通り、両足を動かしながら飛び跳ねる動作を続けるトレーニングです。

足を大きく開けるほど負荷が高まるので、体力や筋力に合わせて調整しましょう。

✓ポイント
・テンポよく行う
・常に動き続ける
・動くスピードを上げる

まとめ

今回は、タバタ式トレーニングの効果的なやり方やポイント、メリットなどについて紹介しました。

タバタ式トレーニングは4分間全力で行うため、かなりキツいトレーニングになりますが、それだけ期待される効果も高いです。

仕事や家事が忙しくて時間がない方でも、自宅で気軽に取り組めるので、ぜひタバタ式トレーニングに挑戦してみて下さい。