ベントオーバーローイングは、背中の筋肉を高負荷で鍛えられるフリーウェイト種目です。
前傾姿勢を保持するため、体力をかなり使いますが、厚みのある背中を手に入れることが期待されます。
本記事では、ベントオーバーローイングの正しいやり方や効果を高めるポイント、ベントオーバーローイングのバリエーション種目などについて詳しく紹介していきます。
Contents
ベントオーバーローイングで鍛えられる筋肉
まずは、ベントオーバーローイングで鍛えられる筋肉の特徴や働きについて紹介します。鍛えられる筋肉は以下の通りです。
広背筋
ベントオーバーローイングでメインに鍛えられるのが、広背筋です。
広背筋は脇の下から骨盤にかけて逆三角形に広がる筋肉であり、上腕を回転させたり、肩甲骨を寄せる役割を担っています。
柔道や水泳、レスリング、ボート競技など、引く動作が中心のスポーツでよく使われており、パフォーマンスに大きな影響を与えています。
大円筋
大円筋は広背筋の上部にあるインナーマッスルであり、肩甲腕を骨の下側辺りに位置しています。
広背筋とともに肩回りを動かしたり、腕を横から動作に関わっていることから、「広背筋のヘルパー」とも呼ばれています。
大円筋は他の筋肉よりも小さいですが、鍛えることで
など数多くのメリットがあり、鍛えておいて損はない部位です。
僧帽筋
僧帽筋は後頭部から肩にかけてひし形状に付着している筋肉です。
上部・中部・下部で構成されており、ベントオーバーローイングでは下部に最も負荷がかかります。
また、僧帽筋は上半身の中でも強大な筋肉であり、人体の筋肉の中でも、発揮する力がトップクラスに強いという特徴もあります。
上腕二頭筋
上腕二頭筋は肩から肘にかけて付着しており、力こぶを形成している筋肉です。
肘を曲げたり、物を持ち上げる動作でよく使われます。
ベントオーバーローイングでは、広背筋や僧帽筋のサポート役として働きます。
ベントオーバーローイングの効果

次に、ベントオーバーローインを行うことで得られる効果について紹介します。具体的な効果は以下の通りです。
背中が逞しくなる
ベントオーバーローイングでは、広背筋や僧帽筋、大円筋など、背中の大きな筋肉を同時に鍛えられるトレーニング種目です。
特に、広背筋が発達すると背中の幅が広くなり、逆三角形の体型を手に入れることができます。
姿勢が良くなる
背中の筋肉は「抗重力筋」と呼ばれており、姿勢を保持しているときに無意識に働いている筋肉です。
抗重力筋は常に働いていますが、衰えると重力に対して、正しい姿勢をキープするのが難しくなります。
ベントオーバーローイングで背筋を鍛えると、姿勢が自然とピンと伸びるため、筋力の衰えやデスクワークによる猫背を解消する効果があります。
ベントオーバーローイングの正しいやり方
ここではトレーニング動画を参考に、ベントオーバーローイングの動作の流れやセットの組み方について解説します。
①肩幅より少し広めの手幅でバーを握り、床から持ち上げる
②膝を軽く曲げ、背筋を真っすぐ伸ばして前傾姿勢になる
③膝のお皿辺りにバーを構える
④肩甲骨を寄せながら、腹部に向かってバーを引く
⑤元の位置までバーを下ろす
ベントオーバーローイングは以上の動作を繰り返します。
1セット目はフォームの確認をしたり、メインセットで最大限の筋力を発揮させるために、疲労が残らない程度に筋肉を慣らします。
2~3セット目はかなり重い重量を使い、ターゲットとする筋肉を限界まで追い込みます。
セット間はインターバルを1分30秒~2分ほどとり、水分を補給したり、呼吸を整えましょう。
ベントオーバーローイングの効果を高める4つのポイント
次に、ベントオーバーローイングの効果をより高めるポイントについて紹介します。ポイントは以下になります。
肩甲骨をしっかり寄せる
ベントオーバーローイングでは、バーを引くときに肩甲骨を寄せることが重要です。
肩甲骨を寄せないと肩が上がりやすくなり、肩が上がってしまうと、広背筋にかかるはずの負荷が僧帽筋に逃げてしまいます。
広背筋にしっかり効かせるためにも、肩甲骨は真ん中に寄せるように意識しましょう。
背中を丸めない
動作中、背中は絶対に丸めないように注意して下さい。
背中を丸めると、バーベルの重みが全て腰にかかるため、腰を痛めるリスクが高まります。
常に目線は斜め上に向け、上半身を30~45度に保持することで、背中が丸まるのを防ぐことができます。
お腹に向けてバーを引く
バーベルを引き上げるとき、腹部(みぞおちとおヘソの間)に向かって引くことがポイントです。
ベントオーバーローイングは上体を前傾させるため、そのまま上に引こうとすると、三角筋の後部に負荷が分散されてしまいます。
広背筋や僧帽筋にしっかり刺激を与えるためにも、バーはお腹に向けて引き上げましょう。
トップポジションで胸を張る
デッドリフトと同様に、バーベルを引き上げきったとき、胸を軽く張るようにしましょう。
トップポジションで胸を張ることで、広背筋がギュッと収縮され、より効かせることができます。
ただし、張り過ぎると背中を大きく反らしてしまうので、軽く張る程度で十分です。
ベントオーバーローイングのバリエーション種目3選
ベントオーバーローイングには、いくつかのバリエーション種目があります。
それぞれで効果が異なるので、通常のやり方に慣れてきたら取り組んでみて下さい。
①リバースグリップベントオーバーローイング
通常のやり方では順手でバーを握りますが、この種目では逆手でバーを握ります。
バーを逆手で握ると上腕二頭筋の関与が大きくなるため、重い重量を扱えるというメリットがあります。
①バーを順手で握り、床から持ち上げる
②膝を軽く曲げ、背筋を真っすぐ伸ばして前傾姿勢になる
③膝のお皿辺りにバーを構える
④肩甲骨を寄せながら、腹部に向かってバーを引く
⑤元の位置までバーを下ろす
✓ポイント
・重量は少し重めに設定する
・目線は正面に向ける
・背中を丸めない
②スミスマシンベントオーバーローイング
このトレーニングは、スミスマシンという器具を用いて行います。
スミスマシンは軌道が固定されているため、フォームが崩れる心配がなく、狙った部位に効かせやすいというメリットがあります。
①バーを一番下にセットし、プレートをつける
②肩幅より少し広めの手幅でバーを握り、持ち上げる
③膝を軽く曲げ、背筋を真っすぐ伸ばして前傾姿勢になる
④膝のお皿辺りにバーを構える
⑤肩甲骨を寄せながら、腹部に向かってバーを引く
⑥元の位置までバーを下ろす
✓ポイント
・お腹に向けてバーを引く
・手首を動かさない
・立ち位置を調整する
③ダンベルベントオーバーローイング
バーベルと異なり、ダンベルは軌道が自由であるため、可動域を広くとることができます。
広い可動域でトレーニングを行うと、筋肉に与える刺激も強くなるため、バーベルのやり方では効いている感じがしないという人にオススメです。
①両手にダンベルを縦に握る
②膝を曲げて背中を真っすぐ伸ばし、前傾姿勢をとる
③目線は正面に向け、腕はブランと下げておく
④スネの辺りにダンベルを構える
⑤肩甲骨を寄せながら、腹部に向かってダンベルを引く
⑥元の位置までダンベルを下ろす
✓ポイント
・ダンベルを上げきったときに胸を張る
・腕に力を入れない
・肩甲骨をしっかり寄せる
まとめ
今回は、ベントオーバーローイングの正しいやり方やポイント、バリエーション種目について紹介しました。
ベントオーバーローイングは背中の筋肉を高負荷で鍛えることができますが、上体を反らすため、腰を痛めやすいトレーニングでもあります。
まずは軽めの重量で正しいフォームを身に付け、少しずつ重量を上げて背筋を鍛えていきましょう。
・広背筋
・大円筋
・僧帽筋
・上腕二頭筋