デクラインベンチプレスはベンチプレスの一種であり、大胸筋の下部を重点的に鍛えられるトレーニング種目です。
頭の位置を下げて行うため、難易度が高いですが、メリハリのある胸板を手に入れることができます。
本記事では、デクラインベンチプレスの正しいやり方や効果を高めるポイント、デクラインベンチプレスのバリエーション種目などについて詳しく解説していきます。
Contents
デクラインベンチプレスで鍛えられる筋肉
まずは、デクラインベンチプレスで鍛えられる筋肉の特徴や働きについて紹介します。鍛えられる筋肉は以下の通りです。
大胸筋下部
大胸筋は胸の前にある筋肉であり、上部・中部・下部の3つに分かれています。
デクラインベンチプレスは身体を斜めにして行うため、バーベルの軌道が変化し、大胸筋の下部に負荷が最もかかります。
大胸筋の下部をしっかり鍛えると、
効果が得られるため、普段からベンチプレスばかりしている人は取り組むべきでしょう。
上腕三頭筋
上腕三頭筋は肩から肘にかけて位置している筋肉であり、腕を伸ばしたときに浮き出てきます。
デクラインベンチプレスでは、腕を伸ばしてバーベルを持ち上げるとき、上腕三頭筋が使われます。
腕の筋肉の中で最も大きく、およそ6~7割を占めているため、鍛えることで腕を効率よく太くすることが可能です。
デクラインベンチプレスの正しいやり方
ここではトレーニング動画を参考に、デクラインベンチプレスの動作の流れやセットの組み方について解説します。
①ベンチ台を調整して、30度に傾ける
②頭の位置が下にくるように、ベンチに仰向けに寝転がる
③肩幅よりも少し広い手幅でバーを握り、ラックから外す
④肘を曲げて、大胸筋の下部とみぞおちの間に向けてバーを下ろしていく
⑤頭を上げないように、肘を伸ばしてバーを持ち上げる
デクラインベンチプレスは以上の動作を繰り返します。
1セット目はフォームの確認をしたり、メインセットで最大限の筋力を発揮させるために、疲労が残らない程度に筋肉を慣らします。
2~3セット目はかなり重い重量を使い、ターゲットとする筋肉を限界まで追い込みます。
セット間はインターバルを1分30秒~2分ほどとり、水分を補給したり、呼吸を整えましょう。
デクラインベンチプレス効果を高める4つのポイント
次に、デクラインベンチプレスの効果を最大限高めるポイントについて紹介します。ポイントは以下になります。
バーベルを地面に対して垂直に動かす
デクラインベンチプレスは体を斜めにして行いますが、バーも同じく斜めの軌道で動かすと、大胸筋の中部に負荷が逃げてしまいます。
通常のベンチプレスと同様に、バーベルの軌道が地面と垂直になることを意識して取り組みましょう。
肩を上げない
デクラインベンチプレスを行うときは、肩を上げないようにすることもポイントの一つです。
肩がすくんで上がってしまうと、バーベルをスムーズに動かすことができなくなり、トレーニングの質が下がります。
肩甲骨を内側に寄せて、胸をしっかりと張ることで、肩が上がりにくくなります。
バーは肋骨の下辺りに下ろす
バーベルを元の位置まで下ろすとき、肋骨の下辺りに下ろすことも大切です。
通常のベンチプレスでは乳首辺りにバーを下ろしますが、同じように下ろすと、大胸筋下部に負荷がかかりにくくなります。
しっかりとバーをコントロールしながら、みぞおちと大胸筋下部の中間に向かって下ろしましょう。
通常のベンチプレスよりも少し重い重量を使う
デクラインベンチプレスは頭部側に重心が傾いており、筋力を発揮しやすい状態であるため、高重量を扱えるというメリットがあります。
ただし、デクラインベンチプレスは頭が下にある状態で行うため、バーを落とすと首や頸椎を大怪我するリスクが高まります。
安全に取り組むためにも、通常のベンチプレスよりも少し重い重量から始めるのが理想です。
デクラインベンチプレスのバリエーション種目2選
最後に、デクラインベンチプレスのバリエーション種目を2つ紹介します。
通常のデクラインベンチプレスだけでなく、以下のトレーニングにも取り組んでみて下さい。
①スミスマシンデクラインベンチプレス
デクラインベンチプレスはスミスマシンという専用のマシンを使って取り組むこともできます。
スミスマシンを使うとバーベルの軌道が固定されるため、筋力を発揮しやすいというメリットがあります。
①体の角度が30度になるように、ベンチ台を調整する
②ベンチに仰向けに寝転がり、バーベルを握って構える
③肘を曲げて、バーベルを下ろしていく
④限界まで下ろしたら、バーベルを持ち上げる
⑤以上の動作を繰り返す
✓ポイント
・肩をすくめない
・反動を使わない
・ベンチを適切な角度に調節する
②デクラインダンベルベンチプレス
ダンベルを使ったデクラインベンチプレスでは、本来のターゲット部位だけでなく、三角筋の前部も同時に鍛えることができます。
また、バーベルよりも深い位置までダンベルを下ろせるため、可動域が広がるというメリットもあります。
①ベンチを30度に調整して、ダンベルを両手に握る
②仰向けに寝転がり、肘がダンベルの下にくるように構える
③肘を伸ばし、ダンベルを持ち上げていく
④肘を曲げて、ダンベルを下ろしていく
⑤以上の動作を繰り返す
✓ポイント
・ダンベルを垂直に動かす
・肩甲骨を寄せる
・適切な重量を扱う
まとめ
今回は、デクラインベンチプレスの正しいやり方やポイント、バリエーション種目などについて解説しました。
デクラインベンチプレスは体を斜めにして行うため、難易度が高く危険性もありますが、大胸筋下部を集中して鍛えられるトレーニングです。
通常のベンチプレスよりも重い重量を扱えますが、バーが落下すると大怪我に繋がる恐れがあるので、正確なフォームで丁寧に取り組みましょう。
・大胸筋下部
・上腕三頭筋