ファーマーズウォークの正しいやり方やポイント|効果の高いバリエーションも紹介

ファーマーズウォークは実際に実践している人が少なく、あまり認知されていませんが、全身の筋肉をくまなく鍛えられるトレーニングです。

本記事では、ファーマーズウォークの正しいやり方やメリット、バリエーション種目について詳しく解説していきます。

ファーマーズウォークの概要

ファーマーズウォークは、世界一の力持ちを決める大会であるストロングマンという競技で行われている種目の一つです。

農民が重たいものを運ぶときの動作に似ていることから、このように名付けられたと言われています。

両手にダンベルやケトルベルなどの重いウェイトを持ちながら歩く」というシンプルな動作でありながら、様々な効果が期待されており、初心者でも気軽に取り組むことができます。

自宅で行う場合、水や土を入れたペットボトルや給水タンクでもウェイトの代用ができるため、試してみて下さい。

ファーマーズウォークの効果

まずは、ファーマーズウォークを行うことで得られる効果について紹介します。具体的な効果は以下になります。

・全身の筋肉に負荷をかけられる
・姿勢が改善される
・握力が強くなる

全身の筋肉に負荷をかけられる

ファーマーズウォークは重いウェイトを持って歩くだけで、

  • 僧帽筋
  • 背筋
  • 大臀筋
  • 前腕

だけでなく、不安定なバランスを保つために

  • 三角筋
  • 体幹
  • 上腕二頭筋

など、全身の筋肉を満遍なく鍛えることができます。

一度に全身に効かせられる効率のよいトレーニングなので、特定の部位を鍛えるトレーニングばかりしている方はやってみて下さい。

姿勢が改善される

人間の身体には、重い物を持つと腰への負担を減らすために、できるだけ背筋を張ろうとする意識が備わっています。

背筋が伸ばされると脊柱起立筋が鍛えられ、姿勢が良くなったり、正しい姿勢を保持できるようになります。

ファーマーズウォークでは、ウェイトを床から持ち上げるときに背中が曲がっていると、腰に大きな負担がかかって腰を痛める恐れがあります。

床からバーベルを引き上げるデッドリフトと同様に、背筋を張ったままウェイトを持ち上げることが大切になります。

握力が強くなる

ファーマーズウォークは高重量のウェイトを常に持ち続けるため、前腕にかかる負荷が大きいです。

前腕が鍛えられると自然と握力が強くなり、握力がアップするとより高重量のダンベルやバーベルを扱えるようになるため、デッドリフトやベンチプレス、懸垂のレベルアップにも繋がります。

一般的に、片手に自分の体重の半分のものを持てるようになると握力が十分に強くなっている証拠であるので、少しずつ重量を上げていきましょう。

ファーマーズウォークの正しいやり方

ここではトレーニング動画を参考に、ファーマーズウォークの動作の流れやセットの組み方について解説します。

やり方

①床にダンベルを置く
②しゃがんで両手にダンベルを握り、背筋を伸ばしたまま立ち上がる
③顔は正面に向けて、小刻みに早いスピードで歩き続ける
④一定時間歩いたら、休憩を挟む

ファーマーズウォークは以上の動作を繰り返します。

「45~60秒を1セット」として3セット行い、各セットできるだけ限界まで追い込みます。

セット間はインターバルを1分30秒~2分ほどとり、水分を補給したり、呼吸を整えましょう。

ファーマーズウォークの効果を高める3つのポイント

次に、ファーマーズウォークの効果を最大限高めるポイントについて解説します。ポイントは以下の通りです。

・腰を曲げないようにする
・できるだけ長い距離を歩き続ける
・適切な重量を扱う

腰を曲げないようにする

ファーマーズウォークは重いウェイトを持ち歩き続けるため、トレーニングの後半になると疲れが出て、腰が曲がりがちになります。

しかし、腰を曲げながら行うと腰に負担がかかり続け、腰を痛める原因となってしまいます。

常に目線は正面に向けて、最後まで背中を張った状態を保ちましょう。

できるだけ長い距離を歩き続ける

ファーマーズウォークは、長い距離を歩くことでトレーニング効果が高まります。

ファーマーズウォークで重点的に鍛えられる握力、つまり前腕は遅筋繊維を多く含んでおり、高回数のトレーニングを行う必要があります。

つまり、できるだけ長い距離を歩いて前腕を刺激する時間を長くすることで、前腕をより効率よく鍛えることが可能になるのです。

適切な重量を扱う

ファーマーズウォークは長い距離を歩くことで効果が高まるため、重すぎる重量で行うと、歩く距離が短くなってしまいます。

また、上記でも述べたように握力を強化するためには、長い間刺激を与え続けることが効果的であるため、高重量はあまり適していません。

反対に、重量が軽いと日常生活における歩行とあまり変わらなくなるので、中重量から高重量までのやや重めのウェイトを選ぶようにするのが理想です。

ファーマーズウォークのバリエーション種目4選

最後に、ファーマーズウォークのバリエーション種目を紹介します。

難易度は高くなりますが、通常のやり方を簡単にこなせるようになったらチャレンジしてみて下さい。

①スーツケースキャリー
②ウェイターズキャリー
③オーバーヘッドキャリー
④ベアハグキャリー

①スーツケースキャリー

通常のやり方は両手にウェイトを持ちますが、スーツケースキャリーでは片手だけウェイトを握って歩きます。

片手だけウェイトを持つことで片腕に負荷がかかりますが、身体を真っすぐに安定させるため、通常の腹筋トレーニングでは鍛えられない細かい筋肉や関節に刺激を与えることが可能です。

行くときは右手で持ち、戻るときに左手に入れ替え、これを1セットとしてカウントするのがよいでしょう。

✓ポイント
・腕は自然と下ろす
・腹筋を意識する
・腰を曲げない

②ウェイターズキャリー

ウェイターズキャリーはウェイトを片手に握り、それを頭上に挙上したまま歩くバリエーションです。

手を高く上げることで体幹への負荷が強くなり、またショルダープレスのような姿勢になるため、肩のインナーマッスルであるローテーターカフも同時に鍛えることができます。

しかし、バランスをとるのが難しく危険の高いトレーニングなので、しっかり安定できる重量で取り組みましょう。

✓ポイント
・軽めの重量を扱う
・腕を真っすぐ真上に挙げる
・目線は正面に向けておく

③オーバーヘッドキャリー

ウェイターズキャリーと異なり、オーバーヘッドキャリーは両手にウェイトを握り、それを頭上に挙上したまま歩きます。

バランスが崩れやすいですが、体幹や肩回りの筋肉に効果のあるトレーニングです。

いきなり行うと身体にどれくらい負担がかかるか分からないので、ウェイターズキャリーに慣れてから取り組むのがよいでしょう。

✓ポイント
・重量を重くし過ぎない
・腕を真っすぐ上げる
・無理をしない

④ベアハグキャリー

ウェイトを握って歩くやり方とは異なり、ベアハグキャリーは重量物を体の前に抱きかかえて歩くバリエーションです。

体の前でしっかり抱きかかえることで大胸筋や上腕を強化できるだけでなく、体幹には側屈の負荷がかかるため、脊柱起立筋を高負荷で鍛えることも可能です。

できればサンドバッグや水のタンクなど、中身が動くものを選ぶのがおすすめです。中身が動き回ると重心の位置が不安定になりますが、体幹を安定させながら歩くことで、通常のトレーニングでは得られない刺激を体幹に与えることができます。

✓ポイント
・重りを落とさないように抱きかかえる
・背中は真っすぐ保持する

まとめ

今回は、ファーマーズウォークの正しいやり方やポイント、効果のあるバリエーションについて詳しく紹介しました。

ファーマーズウォークはウェイトを持ちながら歩くだけで、体幹や前腕をメインとした全身の筋肉に効果のある特殊なトレーニング方法です。

ベンチプレスやデッドリフトなど、他の筋トレのレベルアップにも繋がるので、組み合わせながら行うとトレーニングの意欲もわいてくるでしょう。