ベンチプレスは上半身の筋肉を高負荷で鍛えられるトレーニングですが、ジムが混んでいてできない場合もあるでしょう。
そこでオススメなのが、フロアプレスです。通常のベンチプレスと非常に似ており、自宅でも気軽に取り組めます。
本記事では、フロアプレスの正しいやり方や効果を高めるポイント、フロアプレスのバリエーション種目などについて詳しく紹介していきます。
Contents
フロアプレスの効果

まずは、フロアプレスを行うメリットについて紹介します。具体的なメリットは以下になります。
大胸筋を集中して鍛えられる
通常のベンチプレスはフラットベンチを使うのが一般的です。
フラットベンチは縦に細長いため、バランスが左右に崩れやすく、トレーニングの質が低下する恐れがあります。
一方で、フロアプレスが床に背中をぺったりとつけて行うため、安定感を持って取り組めるというメリットがあります。
体のバランスがとれることでターゲット部位を意識しやすくなり、大胸筋を集中して鍛えることができます。
腰を痛めるリスクが低い
通常のベンチプレスは腰椎が反りやすいトレーニングであるため、腰を痛めるリスクが高いです。
また、可動域が広いため、間違ったフォームで行うと肩関節に大きな負担がかかり、怪我をする恐れもあります。
一方で、フロアプレスは床に寝転がって可動域が狭い状態で行うため、腰を反らせたり、肩関節に余計な負担がかかることもありません。
ベンチがなくても高強度のトレーニングができる
上記でも述べたように、フロアプレスは床の上でベンチプレスを行います。
そのため、自宅で本格的に大胸筋を鍛えたい方や、ジムが混んでいて通常のベンチプレスができない方でも、空いている床のスペースで取り組むことが可能です。
フロアプレスの正しいやり方
ここではトレーニング動画を参考に、フロアプレスの動作の流れやセットの組み方について解説します。
①バーベルを床に置いて、両端にプレートを付ける
②床に座り、肩幅よりも広い手幅でバーを握る
③上体を後ろに倒しながら、バーを足の付け根辺りにもってくる
④腰を浮かす反動でバーベルを持ち上げ、腕を真っすぐ伸ばす
⑤肘を曲げて、バーベルを乳首辺りに向けて下ろしていく
⑥肘が床につく直前まで下ろしたら、元の位置までバーベルを持ち上げていく
フロアプレスは以上の動作を繰り返します。
1セット目はフォームの確認をしたり、メインセットで最大限の筋力を発揮させるために、疲労が残らない程度に筋肉を慣らします。
2~3セット目はかなり重い重量を使い、ターゲットとする筋肉を限界まで追い込みます。
セット間はインターバルを1分~1分30秒ほどとり、水分を補給したり、呼吸を整えましょう。
フロアプレスの効果を高める4つのポイント
次に、フロアプレスの効果をより高めるポイントについて紹介します。ポイントは以下の通りです。
下半身を動かさない
フロアプレスで最も大切なポイントが、下半身を動かさないことです。
反動をつけようと下半身を動かしてしまうと、その分大胸筋への負荷が減ってしまうので、トレーニングの効果は半減します。
大胸筋により強烈な刺激を与えるためにも、下半身は動かさないように固定しましょう。
どうしても下半身が動いてしまう場合は、重量を下げて正確なフォームで行い、そこから徐々に重量を上げるのがオススメです。
胸をしっかりと張る
通常のベンチプレスでは広背筋が収縮されるため、自然と胸が張るようになります。
しかし、フロアプレスでは背中を床にペッタリとつけるため、意識して胸を張る必要があります。
肩甲骨は内側に寄せて、大胸筋の下部を前に出すイメージで胸を張りましょう。
肩に力を入れない
肩に力を入れた状態でフロアプレスを行うと、大胸筋への負荷が減ってしまいます。
また、肩にバーベルの重量がかかり、肩関節を痛めるリスクも高まります。
肩の力は抜いてリラックスさせておき、大胸筋の力でバーベルを持ち上げるように意識してみて下さい。
肘を床につけない
バーベルを下ろしていくときに肘を床につけると、大胸筋から負荷が抜けてしまいます。
また、肘に大きな負担がかかって痛める恐れもあります。
肘が床につく直前でバーベルを下ろすのをやめて、大胸筋に継続的に負荷をかけましょう。
フロアプレスのバリエーション種目4選
最後に、フロアプレスのバリエーション種目を4つ紹介します。
それぞれでメリットや効果が異なるので、通常のフロアプレスに慣れてきたら取り組んでみましょう。
①ダンベルフロアプレス
ダンベルフロアプレスは両手にダンベルを握り、フロアプレスを行うバリエーションです。
バーベルよりも軌道が自由であり、可動域も広くとれるので、大胸筋をピンポイントで鍛えることができます。
①床に仰向けに寝転がり、両手にダンベルを握る
②腕を伸ばして、胸の前でダンベルを構える
③膝は軽く曲げるか、真っすぐ伸ばす
④肘を曲げて、地面に対して垂直にダンベルを下ろしていく
⑤下まで下ろしたら、肘を伸ばしてダンベルを持ち上げていく
✓ポイント
・「八の字」でダンベルを握る
・脇を開かない
・肘は常にダンベルの下にあるようにする
②デクラインフロアプレス
膝を曲げて腰を浮かし、身体を斜めにした状態で行うのがデクラインフロアプレスです。
通常のフロアプレスよりもダンベルを斜め下方向に押すため、大胸筋の下部を集中して鍛えることができ、キレのある胸板を作るのに効果的です。
①両手にダンベルを握り、床に仰向けに寝転がる
②膝を曲げて、背中から膝までが一直線になるまでお尻を上げる
③腕を伸ばし、胸の真上でダンベルを構える
④肘を曲げて、地面に対して垂直にダンベルを下ろしていく
⑤下まで下ろしたら、元の位置までダンベルを持ち上げていく
✓ポイント
・背中から膝までを一直線にキープする
・かかとを浮かせない
・通常のフロアプレスよりも重量を重くする
③カウントダウンフロアプレス
カウントダウンフロアプレスは、カウント数を決めてゆっくりとバーベルを下ろし、爆発的に持ち上げるやり方です。
ネガティブ動作はかなりきつくなりますが。大胸筋により強烈な刺激を与えることができます。
①ダンベルを両手に握り、床に仰向けに寝転がる
②膝を曲げ、腕を伸ばしてダンベルを構える
③5秒数えながら、肘を曲げてダンベルをゆっくり下ろしていく
④下まで下ろしたら、肘を伸ばしてダンベルを持ち上げていく
✓ポイント
・肩に力を入れない
・反動を使わない
・徐々にカウント数を増やす
④ワンアームフロアプレス
ワンアームフロアプレスは、片腕のみでダンベルを動かすバリエーションです。
片方ずつ行うため、大胸筋に効かせやすくなるだけでなく、姿勢維持のために体幹も同時に鍛えることができます。
①片手にダンベルを握り、床に仰向けに寝転がる
②腕を伸ばして、ダンベルを構える
③肘を曲げて、ダンベルを下ろしていく
④下まで下ろしたら、肘を伸ばしてダンベルを持ち上げていく
⑤反対側も同じように行う
✓ポイント
・ダンベルをしっかりと握る
・もう片方の手でバランスをとる
・肘を床につけない
まとめ
今回は、フロアプレスの正しいやり方やポイント、バリエーション種目について紹介しました。
フロアプレスは通常のベンチプレスと同様に、大胸筋をメインに上半身をバランスよく鍛えることができます。
肩甲骨を寄せて胸をしっかりと張り、反動を使わないようにバーベルを持ち上げることを意識して取り組みましょう。
・大胸筋を集中して鍛えられる
・腰を痛めるリスクが低い
・ベンチがなくても高強度のトレーニングができる