フロントスクワットの正しいやり方|効果やバリエーションも紹介

フロントスクワットは通常のスクワットと異なり、体の前でバーベルを担いで行います。

それにより膝への負担を減らしつつも、太もも前の大腿四頭筋を重点的に鍛えることが可能です。

本記事では、フロントスクワットの正しいやり方やメリット、フロントスクワットのバリエーション種目などについて詳しく紹介していきます。

フロントスクワットで鍛えられる筋肉

まずは、フロントスクワットで鍛えられる筋肉の特徴や働きについて紹介します。鍛えられる筋肉は以下になります。

・大腿四頭筋
・ハムストリングス
・大臀筋
・体幹部の筋肉

大腿四頭筋

大腿四頭筋は太ももの前面に位置している筋肉であり、人体の中で最も大きい筋肉でもあります。

通常のスクワットはバーベルを後ろに担ぎますが、フロントスクワットでは前に担ぐため、重心が前側になり大腿四頭筋への負荷が高まります。

大腿四頭筋は膝を伸ばす働きがあるため、鍛えることでジャンプやキックなどの動作が強化されたり、膝の痛みの予防にも繋がります。

ハムストリングス

ハムストリングスは太ももの後面に位置している筋肉であり、大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋の3つで構成されています。

ダッシュやジャンプをする動作に関与しており、フロントスクワットでは補助筋として使われます。

ハムストリングスを鍛えることで、お尻や太ももを引き締めたり、運動能力を高めることが期待されます。

大臀筋

大臀筋はお尻を広く覆っている筋肉であり、人体の中で2番目に大きい筋肉でもあります。

ハムストリングスと共働して股関節を伸展させる役割を担っており、歩くことや走ることなど、日常生活のあらゆる動作に関与しています。

大臀筋が衰えると、お尻のたるみや腰痛の原因となってしまうので、普段から鍛えておくことが大切です。

体幹部の筋肉

フロントスクワットは通常のスクワットよりも重心が高くなるため、バランスが不安定になります。

このバランスをしっかり維持するために、内腹斜筋や外腹斜筋、腹筋などの体幹部の筋肉にも負荷がかかります。

体幹部を鍛えることで

  • 姿勢が改善される
  • ベンチプレスやデッドリフトなどの種目を安定して取り組める

などの効果が見込まれます。

下半身や体幹部の筋肉をバランスよく鍛えたい人は、バーベルを頭上に挙げたまま行うオーバーヘッドスクワットもおすすめです。

フロントスクワットの効果

次に、フロントスクワットを行うことで得られる効果について紹介します。具体的な効果は以下の通りです。

・基礎代謝が向上する
・太ももやお尻が引き締まる
・スポーツのパフォーマンスアップに繋がる

基礎代謝が向上する

基礎代謝とは生命を維持するための必要最小限のエネルギーのことであり、何もしなくても自然と消費されます。

これは筋肉の大きさに比例して大きくなるため、フロントスクワットで非常に大きい下半身の筋肉を鍛えることで、基礎代謝を大幅に高めることができます。

基礎代謝が上がると脂肪が燃焼されやすくなるので、太りにくく痩せやすい身体を手に入れることが期待されます。

太ももやお尻が引き締まる

フロントスクワットは大腿四頭筋をメインに鍛える種目ですが、大臀筋やハムストリングスも同時に鍛えられます。

大臀筋はお尻を覆うようについており、鍛えることでお尻が持ちあがったり(ヒップアップ)、お尻のたるみを改善することができます。


また、ハムストリングスも鍛えることで太ももが引き締まり、お尻から太ももまでのラインが綺麗に見えます。

スポーツのパフォーマンスアップに繋がる

フロントスクワットで鍛えられる下半身の筋肉は、「走る」「飛ぶ」「しゃがむ」「ジャンプ」など、スポーツや競技などの実践的な動作と深い関係があります。

また、体幹部は姿勢を正しく維持する役割を担っており、強化することで体の安定性が増し、当たり負けしにくい身体に変化します。

このように、フロントスクワットを行うことで運動能力が高まり、競技やスポーツのパフォーマンス向上に繋がります。

フロントスクワットの正しいやり方

ここではトレーニング動画を参考に、フロントスクワットの動作の流れやセットの組み方について解説します。

やり方

①パワーラックにバーベルをセットする
②肩と鎖骨の間にバーベルを乗せ、手首を返すように前からバーを握る
③両足を肩幅くらいに開いて、つま先はやや外側に向ける
④体幹部に力を入れながら、膝を曲げて腰を深く落としていく
⑤太ももが地面と平行になるまで下げたら、膝を伸ばして立ち上がる

フロントスクワットは以上の動作を繰り返します。

  • 1セット目・・・アップセットとして、少し重い重量で20回以上行う
  • 2~3セット目・・・メインセットとして、8~12回で限界がくる重量で行う

1セット目はフォームの確認をしたり、メインセットで最大限の筋力を発揮させるために、疲労が残らない程度に筋肉を慣らします。

2~3セット目はかなり重い重量を使い、ターゲットとする筋肉を限界まで追い込みます。

セット間はインターバルを1分30秒~2分ほどとり、水分を補給したり、呼吸を整えましょう。

フロントスクワットの効果を高める4つのポイント

続いて、フロントスクワットの効果をより高めるポイントについて紹介します。ポイントは以下になります。

・膝を前に出し過ぎない
・上体をしっかりと起こす
・足の真ん中に重心を乗せる
・軽めの重量を扱う

膝を前に出し過ぎない

フロントスクワットを行なうときは、膝がつま先よりも前に出ないように注意しましょう。

膝を前に出し過ぎると膝に大きな負担がかかるため、膝を痛めるリスクが高まります。

上体をしっかりと起こす

フロントスクワットはバーベルを前で担ぐため、体のバランスが崩れやすく、バーを落とす危険性があります。

バーベルを安定して動かすためにも、上体をしっかりと起こすことが大切です。

前かがみにならないためにも、胸をしっかりと張って目線は正面に向けるようにしましょう。

足の真ん中に重心を乗せる

スクワット種目を行うときにありがちなのが、重心を決めていないことです。

かかとやつま先のどちらかに重心が偏っていると、大腿四頭筋に効かせにくくなるだけでなく、バランスも崩れやすくなります。

重心は足の真ん中に乗せて、お尻を後方に突き出すイメージで腰を落としていきましょう。

軽めの重量を扱う

フロントスクワットは体のバランスをとるのが難しく、いきなり重い重量で取り組むと、バランスを崩して怪我の原因になります。

そのため、まずは軽い重量から始めて正しいフォームを身につけて、慣れてきたら重量を増やすのがおすすめです。

フロントスクワットで扱える重量はバックスクワットの70%前後になることが多いので、普段からバックスクワットを行っている人は重量を20~30%ほど落としましょう。

フロントスクワットのバリエーション種目3選

最後に、フロントスクワットのバリエーション種目を紹介します。

通常のフロントスクワットに慣れてきたら、以下のトレーニングにも挑戦してみて下さい。

①カリフォルニア・フロントスクワット
②スミスマシン・フロントスクワット
③ダンベル・フロントスクワット

①カリフォルニア・フロントスクワット

カリフォルニア・フロントスクワットは、腕をクロスに交差して行うフロントスクワットのことです。

手首が堅かったり、前腕が短くて通常のフロントスクワットが難しい人におすすめです。

やり方

①腕でバーベルを抱え込むように、ラックからバーを外す
②両足を肩幅くらいに開いて、つま先をやや外側に向ける
③太ももが地面と平行になるまで腰を落とす
④膝を伸ばして、立ち上がる

✓ポイント
・腰を深く落とす
・腹筋に力を入れる
・バランスを崩さない

②スミスマシン・フロントスクワット

スミスマシンで行うフロントスクワットは、バーベルの軌道が固定されているため、初心者でも安全に取り組めるというメリットがあります。

体のバランスもしっかり保つことができるので、大腿四頭筋に負荷を効かせやすいです。

やり方

①両足を肩幅くらいに開いて、バーの真下に足を置くようにする
②鎖骨と肩の間にバーベルを乗せる
③太ももが地面と平行になるまで腰を落とす
④膝を伸ばして立ち上がる

✓ポイント
・腰を反らさない
・足の真ん中に重心を乗せる
・膝を伸ばしきらない

③ダンベル・フロントスクワット

ダンベル・フロントスクワットはダンベルを肩に乗せて行うため、バランスが安定しやすいというメリットがあります。

通常のやり方よりも扱える重量は落ちますが、下半身の筋肉にしっかりと負荷をかけることが可能です。

やり方

①ダンベルを両手に握り、肩に乗せる
②両足を肩幅くらいに開いて、つま先をやや外側に向ける
③太ももが地面と平行になるまで腰を落とす
④膝を伸ばして立ち上がる

✓ポイント
・ダンベルを途中で動かさない
・目線は正面に向ける
・腰を深く落とす

まとめ

今回は、フロントスクワットの正しいやり方やポイント、バリエーション種目について紹介しました。

フロントスクワットは通常のスクワットよりも大腿四頭筋に負荷をかけることができ、基礎代謝を効率よく高めたり、運動能力を向上させることが期待されます。

体のバランスを安定させるのが難しく、難易度も高いので、軽い重量から始めてフォームを馴染ませましょう。