逆立ちは手軽にできるトレーニングですが、難易度が高いことやトレーニング効果があまり知られていないことから、実践している人はほとんどいません。
しかし、逆立ちを継続して行うと腸内環境がよくなったり、ポッコリお腹が解消されるなど、健康面において様々なメリットがあります。
本記事では、そんな逆立ちの正しいやり方やできない原因、トレーニング効果などについて詳しく紹介していきます。
Contents
逆立ちができない3つの原因

バランス感覚が足りない
逆立ちは同じ姿勢をキープする必要があるため、バランス感覚が身についていないとすぐにグラつき、転倒する恐れがあります。
また、肘の向きや目線、手や指の位置が間違っていると、そもそものバランスを取りやすい姿勢を作ることができません。
逆立ちを効果的に行うためにも、バランス感覚を向上させるトレーニングを行いつつ、正確なフォームを習得することが大切です。
手首や肘、肩の力が弱い
逆立ちでは、手首・肘・肩の3点で全体重を支えることになります。
そのため、これらの筋肉や関節が弱ければ体を安定して支え続けることができず、トレーニングの質の低下に繋がります。
バランス能力は高いのに姿勢が安定しない方は、腕や肩、体幹などの筋肉を鍛えることがおすすめです。
恐怖心がある
逆立ちはいつもの姿勢の真逆で行うため、逆さまになることへの恐怖心があると、腕に力が入らずに突っ張ることができません。
また、怖くて腰が曲がったままになり、脚や体をうまく持ち上げられないことにも繋がってきます。
いきなり逆立ちができる人はほとんどいないので、まずは壁倒立や肘倒立、三点倒立などから始め、少しずつ恐怖心を克服しながらステップアップしましょう。
逆立ちの効果

お腹や二の腕が引き締まる
運動不足などでお腹の筋力が弱くなると、お腹の脂肪を支えることができず、たるみやポッコリお腹の原因になってしまいます。
逆立ちでは、背中が真っすぐ伸びた姿勢で呼吸をすることで、お腹のインナーマッスルに負荷がかかります。インナーマッスルは身体のコアの部分であり、鍛えることで脂肪の引き下げが止まり、お腹周りをスッキリさせることができます。
また、頭頂部を床につけずに肘を伸ばすことで上腕三頭筋も同時に鍛えられるので、二の腕の引き締め効果もあります。
血行が良くなる
逆立ちでは普段とは真逆の姿勢をとるため、全身のすみずみまでに血が届けられます。
血液の巡りが良くなると甲状腺が活発になり、新陳代謝と関わりの深い物質の生成が活発になります。新陳代謝がよくなると、
などのメリットがあるので、代謝が落ちたと感じている人は逆立ちを続けてみましょう。
基礎代謝を高める方法は、「基礎代謝を効率よく上げる方法7選|脂肪が燃焼しやすい身体づくりについて解説」でも紹介しているので、参考にしてみてください。
腸内環境が整う
普段の姿勢だと重力によって内臓が下垂した状態になりがちですが、逆立ちをすると正しい位置に内臓が整うため、代謝機能が向上しやすくなります。
また、姿勢が逆になることで大腸や小腸にも刺激が与えられます。
腸内環境が活発になると腸内に溜まった不純物や汚れなどが排出されやすくなるので、お腹の調子が悪かったり、便秘気味の方は逆立ちを取り入れて改善に役立てましょう。
頭がスッキリする
逆立ちをすると脳にも血液や酸素が送られるので、頭が重かったり、頭痛がするときに逆立ちを行うと、頭がスッキリします。
実際に、普段から逆立ちに取り組んでいる人の中には、頭痛が改善されて寝つきが良くなったり、勉強や運動に集中できるようになった方もいるそうです。
まずは壁倒立から始める
壁倒立を行うべき理由
壁倒立とはその名の通り、壁にもたれかかった状態で逆立ち(倒立)をすることです。壁倒立を行うことで、
というメリットがあるため、いきなり支えなしの逆立ちをするのではなく、壁倒立に慣れた後に行うのが理想です。
壁倒立のやり方
壁倒立のやり方は、背中を壁につける方法とお腹側を壁につける方法の2種類あります。
手を壁側に寄せると体を伸ばしやすいので、後者の腹側を壁に近づける方法で行いましょう。
また、壁倒立を行うときは、両手の間に枕を置くのがおすすめです。
バランスを崩して頭が床にぶるかるのを防ぐことができます。慣れてきたら、壁から脚を一瞬離したりして、本番の逆立ちのイメージをつかんでみてください。
逆立ちの正しいやり方
逆立ちは以上の手順で行います。
逆立ちは健康効果が高いですが、3分以上もすると頭に血が昇って気分が悪くなったり、めまいが悪くなる恐れがあります。
逆立ちは1回につき30秒~1分ほど、1日2~3回の範囲で行うのがベストです。
逆立ちの効果を高める4つのポイント
重心は手に乗せる
逆立ちを行うときは、重心をしっかりと手に乗せることが重要です。
手に体重が乗っていないと、踏み切った足に倒れてしまい、倒立をすることができません。
スタートポジションでお尻を高い位置で構えて、地面に置く手と足の距離を近くすることで重心が手に乗りやすくなるので、意識してみましょう。
手は逆八の字で地面につける
両手を地面につけるときは、逆八の字を描くようにつけるのがおすすめです。
逆八の字で両手をつけることで、肘が伸びやすく、力を十分に入れることができます。
また、手のひらが開いていることで、前方に倒れそうになるときも指先に力を入れるコントロールできるため、転倒の予防にも繋がります。
顎を引かない
逆立ちをするときに顎をグイっと引いてしまうと、頭が胸の方に動いてバランスがとりにくくなります。
体をしっかりキープするためにも、顎は引かずに、頭をしっかりと上に向けて起こすことが大切です。
地面に着けた両手の中間あたりから少し上を見ながら足を上げることで、バランスが崩れにくくなるでしょう。
マットや布団を敷く
壁倒立に慣れたとしても、逆立ちはバランス感覚や筋力が足りないとできないほど難易度の高いエクササイズです。
恐怖心があると脚がうまく上がらなかったり、身体が縮まって転倒する恐れもあります。
少しでも恐怖心を軽減させるためにも、床にトレーニングマットや布団などを敷いた上で、逆立ちに取り組みましょう。
逆立ちをマスターするのにかかる期間

バランス感覚や筋力、恐怖心などは個人差があるため、逆立ちをマスターするのにかかる期間はバラバラです。
普段から筋トレをしている方は筋肉や関節が強いので、運動をしていない人よりは早く習得できるでしょう。
一般的には、毎日5分ほどの練習を1か月間続けて、壁など何も支えがなく足をピンと伸ばした状態を1秒程度ピタッと止まれるレベルにやっと到達できると言われています。
それだけ逆立ちは難易度が高いので、毎日の練習が欠かせません。逆立ちが得意な人にやり方を教えてもらうのが一番よい方法でしょう。
練習を続けて逆立ちを習得しよう
今回は、逆立ちの正しいやり方やポイント、できない原因などについて紹介しました。
逆立ちはできないと思い込む人もいますが、しっかりとコツをつかんで継続すれば、徐々にできるようになります。
逆立ちは血の巡りを良くし、健康的な身体を手に入れるのに役立つので、習得しておきたいトレーニングです。
①周りに人や物がないスペースを確保する
②両手を逆八の字で床につける
③効き足で地面を蹴って、手に体重が乗るように足を上げる
④両足を上げきったら、体全体に力を入れて固める