ヒップスラストはお尻の大臀筋を集中して鍛えることができるトレーニング種目です。
お尻や太ももを引き締めることができるので、綺麗なボディラインを形成するのに効果的です。
本記事では、ヒップスラストの正しいやり方や効果を高めるポイント、ヒップアップ効果のあるトレーニング方法などについて詳しく紹介していきます。
Contents
ヒップスラストで鍛えられる筋肉
まずは、ヒップスラストで鍛えられる筋肉の特徴や働きについて紹介します。鍛えられる筋肉は以下になります。
大臀筋
ヒップスラストでメインに鍛えられるのが、お尻にある大臀筋です。大臀筋は臀部を形成している表層部の筋肉であり、人体の中で2番目に大きい筋肉です。
ハムストリングスと連動して働き、歩いたり走るなど、日常生活のほとんどの動作に貢献しています。
また、大臀筋は姿勢を維持するためにも重要な役割があるので、大臀筋が衰えるとお尻がたるんだり、腰の痛みを引き起こす原因になってしまいます。
ハムストリングス
ヒップスラストでは、ハムストリングスも同時に鍛えることができます。
ハムストリングスは太ももの後ろ側に位置している筋肉であり、大腿二頭筋・半腱様筋・半膜様筋という3つの筋肉で構成されています。
股関節の外旋・内旋などの動きに関わっているため、鍛えることで運動パフォーマンスが向上する効果が期待されます。
大腿四頭筋
大腿四頭筋は太ももの前面に位置している筋肉であり、人体の中で最も大きい筋肉です。
膝を伸ばす働きがあり、日常生活のあらゆる動作だけでなく、多くのスポーツにおいても重要な筋肉です。
大きい筋肉であるため、鍛えることで基礎代謝が大幅に向上し、ダイエットや脂肪燃焼効果が期待されています。
ヒップスラストの効果

続いて、ヒップスラストを行うことで得られる効果について紹介します。具体的な効果は以下の通りです。
お尻や太ももが引き締まる
ヒップスラストでは、お尻の大部分を形成する大臀筋をメインに鍛えることができます。
大臀筋が発達するとお尻が持ち上がるので、お尻周りのたるみが改善されたり、足が長く見えるようになります。
また、ハムストリングスを鍛えると大臀筋を持ち上げることに繋がるので、両方の筋肉を同時に鍛えることができるヒップスラストは丸みのある引き締まったお尻を作り上げるのに最適なトレーニングです。
代謝アップに繋がる
大臀筋や大腿四頭筋、ハムストリングスは人体の中でも特に大きい筋肉です。
筋肉の代謝量はその大きさに比例して大きくなるため、これらの筋肉を鍛えると基礎代謝が大幅に向上します。
代謝が上がると1日で消費されるカロリーも増えるので、脂肪が燃焼されやすくなり、太りにくく痩せやすい身体を手に入れることができます。
運動パフォーマンスが向上する
大臀筋や大腿四頭筋、ハムストリングスは歩く、走る、起き上がるなどの動作に貢献しており、スポーツ・競技においても頻繁に使われています。
鍛えるとこれらの機能が高まるため、運動パフォーマンスが向上したり、疲れにくい身体に変化するなどの効果が期待されます。
ヒップスラストは大臀筋がメインターゲットであるので、デッドリフトやスクワットも組み合わせることで、運動機能がグンとアップするでしょう。
ヒップスラストの正しいやり方
ここではトレーニング動画を参考に、ヒップスラストの動作の流れやセットの組み方について解説します。
①ベンチを横にして、背中をつける
②両足を腰幅と同じくらいに広げて、膝を90度に曲げる
③バーベルを足の付け根から股関節辺りにのせ、順手で軽く握る
④ベンチに肘をかける
⑤足裏で地面を押しながら、腰を上げてバーを持ち上げていく
⑥肩・腰・膝が床と水平になるまで持ち上げたら、少しキープする
⑦息を吐きながら、腰を落としていく
ヒップスラストは以上の動作を繰り返します。
1セット目はフォームの確認をしたり、メインセットで最大限の筋力を発揮させるために、疲労が残らない程度に筋肉を慣らします。
2~3セット目はかなり重い重量を使い、ターゲットとする筋肉を限界まで追い込みます。
セット間はインターバルを1分30秒~2分ほどとり、水分を補給したり、呼吸を整えましょう。
ヒップスラストの効果を高める3つのポイント
次に、ヒップスラストの効果をより高めるポイントについて紹介します。ポイントは以下になります。
つま先と股関節を45度ほど開ける
ヒップスラストを行うときは、つま先と股関節を広げる角度に注意しましょう。
内股になったり、膝を広げすぎると大臀筋に上手く負荷がかからなかったり、腰への負担が大きくなります。
大臀筋に集中して負荷をかけるためにも、トレーニング中は常につま先と股関節を45度ほどに開くことが大切です。
お尻を締めるイメージで行う
ヒップスラストの動きは日常生活の中であまり使わない動きなので、大臀筋ではない筋肉にも力が入ってしまいがちです。
大臀筋を使わなくてもバーベルを動かすことはできますが、ハムストリングスや大腿四頭筋に負荷が逃げるので、トレーニング効果は半減してしまいます。
バーベルを持ち上げたり下ろしていくときは、お尻の筋肉をギュッと引き締めて、お尻の力だけを使うイメージで行いましょう。
腰だけを意識しすぎない
ヒップスラストは腰を持ち上げる動きが基本ですが、腰を意識しすぎると腰から持ち上げたり、腰が反りやすくなります。
これだと大臀筋に効かないだけでなく、腰を痛める原因になってしまう場合もあります。
腰ではなくお尻を引き締める力で自然と持ち上がるようにバーベルを上げて、胴体が一直線になるところで下ろすように意識しましょう。あごを引くのもポイントです。
自宅でできるヒップスラストとそのやり方
ヒップスラストは大臀筋を高負荷で鍛えることができますが、ジムが混んでいてできなかったり、バーベルを使ったやり方が難しい方もいるでしょう。
そんな場合は、自宅で簡単にできるヒップスラストに取り組んでみましょう。
自重ヒップスラスト
自重で行うヒップスラストは、筋力が足りない初心者や女性にオススメです。
やり方は通常のヒップスラストとほとんど同じで、バーベルを持たずに行います。
①ベンチを横にして、背中をつける
②両腕をベンチに広げて、膝を曲げる
③両足で地面を踏ん張り、腰を持ち上げていく
④床と平行になるまで上げたら、元の位置まで下ろしていく
⑤20~30回を1セットとして、3セット行う
自重でできるヒップスラストは負荷が低いので、高回数で追い込むように取り組みましょう。
胸の前で両腕をクロスさせて行うと負荷が高まり効果がアップします。
バランスボールヒップスラスト
自重のヒップスラストに慣れてきたら、バランスボールを使ったやり方に挑戦してみましょう。
バランスボール・ヒップスラストは、バランスが取りにくくなるため体幹への負荷が高まります。
①バランスボールを用意し、背中の上半分をボールに乗せる
②腰を持ち上げて、膝から肩までが一直線になるまで起こしていく
③腹筋に力を入れて、1~2秒間キープする
④10~15回を1セットとして、3セット行う
両足が床から離れたり、バランスボールが転がるとフォームが崩れるため、大臀筋から負荷が抜けてしまいます。
なるべくフォームを安定させて、ボールを動かさないように取り組みましょう。
ヒップスラストと組み合わせたいヒップアップ効果のあるトレーニング種目3選
ヒップスラストは他のトレーニングと組み合わせることで、よりヒップアップの効果を高めることができます。
ここでは、一緒に行うべきおすすめの筋トレ種目を3つ紹介します。
①デッドリフト
デッドリフトは脊柱起立筋、広背筋、ハムストリングス、大臀筋など、身体の後ろ側にある筋肉を同時に鍛えることができます。
下半身の筋肉も高負荷で鍛えられるので、ヒップスラストの前に取り組むのがオススメです。
①両足を肩幅程度に開いて、つま先は真っすぐ前に向ける
②上体を斜めに前傾して、バーベルを両手で握る
③肩甲骨を内側に寄せて、胸を張って体幹に力を入れる
④上半身を上げて、脛に沿わすようにバーベルを持ち上げていく
⑤膝を曲げ、お尻を突き出しながらバーベルを下ろしていく
✓ポイント
・膝が前に出ないようにする
・肩に力を入れない
・バーベルは体の近くにあるようにする
②ダンベルブルガリアンスクワット
ダンベルブルガリアンスクワットは両手にダンベルを持ち、片足をベンチに乗せた状態で行います。
バランスを取ろうとすることで、下半身の主要な筋肉だけでなく、中臀筋や体幹も鍛えることができます。
①ダンベルを両手に握る
②足を前後に開いて、後ろ足をベンチの上に乗せる
③目線は正面に向けて、膝を曲げて腰を落としていく
④前足の太ももが床と平行になるまで落としたら、膝を伸ばして元の位置まで上体を持ち上げる
⑤反対側も同じように行う
✓ポイント
・つま先を膝よりも前に出さない
・前足に重心を乗せる
・背筋を真っすぐ伸ばす
③バーベルスクワット
スクワットは筋トレBIG3の一つであり、下半身のほとんどの筋肉を高負荷で鍛えることができます。
スクワットはフォームを覚えるのが難しいので、まずは正しいフォームをしっかり身につけるようにしましょう。
①バーベルを僧帽筋の上部に乗せて、ラックからバーを外す
②両足は肩幅程度に開いて、つま先はやや外側に向ける
③肩甲骨を寄せて、胸を張る
④目線は正面に向けて、膝を曲げてしゃがんでいく
⑤太ももが床と平行になるまで下げたら、元の位置まで上体を起こしていく
✓ポイント
・腹筋に力を入れる
・つま先に重心を乗せる
・バーベルは垂直に動かす
まとめ
今回は、ヒップスラストの正しいやり方やポイント、組み合わせるべきトレーニングについて紹介しました。
ヒップスラストは大臀筋を集中して鍛えることができ、ヒップアップ効果や代謝の向上などに繋がります。
間違って行うと腰を痛める恐れがあるので、まずは正しいフォームで行うことから始めましょう。
・大臀筋
・ハムストリングス
・大腿四頭筋