インクラインベンチプレスの効果的なやり方|大胸筋上部に効かせるコツを解説

インクラインベンチプレスは体の角度を変えることで、大胸筋上部を効果的に鍛えるトレーニングです。

通常のベンチプレスと組み合わせることで、効率よく大胸筋を発達させることが可能です。

本記事では、インクラインベンチプレスの正しいやり方や効果を高めるポイント、インクラインベンチプレスのバリエーション種目などについて詳しく紹介していきます。

通常のベンチプレスとインクラインベンチプレスの違い

通常のベンチプレスはフラットなベンチで行うのに対し、インクラインベンチプレスは角度をつけたベンチに座って取り組みます。

この2つのトレーニングの違いを3つ紹介します。

鍛えられる部位

大胸筋は上部・中部・下部に分かれており、通常のベンチプレスでは中部を、インクラインベンチプレスでは上部をメインに鍛えることができます。

中部や下部ばかりを鍛えていると、胸板が垂れ下がって見栄えの悪い胸板に仕上がってしまいます。

バランスの綺麗な大胸筋を手に入れるためにも、上部・中部・下部を満遍なく鍛えることが大切です。

三角筋への負荷

インクラインベンチプレスは上体をやや起こしており、体に傾斜ができています。

そのため、通常のベンチプレスよりも三角筋への刺激が減り、大胸筋に負荷を集中できるというメリットがあります。

そこまで肩を鍛えるのにこだわりがない人は、インクラインベンチプレスに取り組むのがよいでしょう。

ローテーターカフへの負担

ローテーターカフとは肩甲骨と上腕骨を繋いでいる筋肉の総称であり、肩のインナーマッスルとも呼ばれています。

ローテーターカフは、「肩甲下筋」「棘下筋」「棘上筋」「小円筋」という筋肉で構成されています。

インクラインベンチプレスはベンチに傾斜があるので、通常のベンチプレスよりもローテーターカフへの負担を軽減することが可能です。

インクラインベンチプレスの正しいやり方

ここではトレーニング動画を参考に、インクラインベンチプレスの動作の流れやセットの組み方について解説します。

やり方

①ベンチの角度を30~45度に調整する
②ベンチに座り、足の裏を地面にしっかりとつける
③幅よりも少し広い手幅でバーを握り、肩甲骨を内側に寄せる
④腕を伸ばしたまま、バーをラックから外す
⑤肘を曲げ、鎖骨辺りにバーベルを下ろしていく
⑥できるだけ深く下ろしたら、バーを垂直に持ち上げていく

インクラインベンチプレスは以上の動作を繰り返します。

  • 1セット目・・・アップセットとして、少し重い重量で20回以上行う
  • 2~3セット目・・・メインセットとして、8~12回で限界がくる重量で行う

1セット目はフォームの確認をしたり、メインセットで最大限の筋力を発揮させるために、疲労が残らない程度に筋肉を慣らします。

2~3セット目はかなり重い重量を使い、ターゲットとする筋肉を限界まで追い込みます。

セット間はインターバルを1分30秒~2分ほどとり、水分を補給したり、呼吸を整えましょう。

インクラインベンチの効果を高める3つのポイント

次に、インクラインベンチプレスの効果をより高めるポイントについて紹介します。ポイントは以下の通りです。

・鎖骨辺りにバーを下ろす
・手首の真下に肘があるようにする
・肩甲骨を寄せて肩を下げる

鎖骨辺りにバーを下ろす

通常のベンチプレスでは、乳首を結んだライン辺りを狙ってバーを下ろしていきます。

一方でインクラインベンチプレスの場合、バーを持ち上げる角度が変わるため、同じ場所に下ろすことができません。

鎖骨付近(通常のベンチプレスよりも2~3㎝ほど上の場所)にバーを下ろし、大胸筋上部にしっかり負荷をかけましょう。

手首の真下に肘があるようにする

手首と肘の位置がズレていると、関節に大きな負担がかかって怪我をする恐れがあります。

正しい動作で行うためにも、常に手首の真下に肘があるように意識しましょう。

地面に対して垂直に力を加えることができ、安定してバーを持ち上げられるようになります。

肩甲骨を寄せて肩を下げる

通常のベンチプレスと同様に、肩甲骨をしっかり寄せて肩を下げることが重要です。

肩甲骨を寄せていないと肘が外側に開いてしまい、肩の僧帽筋で動作を行うことになります。これだと、大胸筋上部を集中して鍛えることができず、肩や肘を痛める原因にもなります。

肩甲骨を寄せることは大胸筋のトレーニングで共通していることなので、普段から意識して身につけておきましょう。

インクラインベンチプレスのバリエーション種目3選

インクラインベンチプレスは他の器具を使って取り組むこともできます。

違うトレーニング種目で新しい刺激を与えて、大胸筋を効率よく大きくしていきましょう。

①インクラインダンベルベンチプレス
②スミスマシン・インクラインベンチプレス
③チェストプレスマシン・インクラインベンチプレス

①インクラインダンベルベンチプレス

インクラインダンベルベンチプレスは、バーベルではなくダンベルを使って取り組みます。

可動域に制限がないため、ダンベルを自由に動かすことができ筋肉の細かい部分まで鍛えることが可能です。

パワーラックを用意する必要もないため、ダンベルとベンチがあれば気軽に取り組めます。

やり方

①ベンチの角度を30~45度に調整する
②ダンベルを両手に握り、ベンチに仰向けに寝転がる
③肩甲骨を寄せて、肩の真上にダンベルを持ってくる
④腕が地面と垂直になるように、ダンベルを下ろしていく
⑤肩の高さまで下ろしたら、ダンベルをもとの位置まで持ち上げていく

✓ポイント
・脇をできるだけ閉める
・肘を伸ばしきらない
・ダンベルは垂直に持ち上げる

②スミスマシン・インクラインベンチプレス

スミスマシンはレールに沿ってバーベルの軌道が固定されたマシンのことで、初心者でも安全に鍛えることができます。

常に正しいフォームで行えるので、大胸筋上部にしっかりと刺激を与えることが可能です。

やり方

①ベンチの角度を30~45度に調整する
②シャフトが胸上部の真上にくるように、ベンチを配置する
③腕を伸ばしたまま、バーを鎖骨に向かって下ろしていく
④鎖骨の約5cm上まで下げたら、元の位置までバーを持ち上げていく

✓ポイント
・左右のバランスを保つ
・少し重量を上げる
・反動を使って上げない

③チェストプレスマシン・インクラインベンチプレス

インクラインベンチプレスはチェストプレスマシンを使って行うこともできます。

ベンチプレスと動作が似ており、反動を使うこともないため、鍛えたい筋肉にピンポイントで負荷をかけることが可能です。

やり方

①30度ほど上に出力できるように椅子やバーの角度を調整する
②肩甲骨を寄せて、左右のバーを握る
③両足を踏ん張り、一気にバーを押し上げていく
④限界まで上げたら、元の位置まで下ろしていく

✓ポイント
・肘は最後まで伸ばしきる
・大胸筋上部を意識する

まとめ

今回は、インクラインベンチプレスの正しいやり方や効果を高めるコツを紹介しました。

大胸筋上部を効果的に鍛えるためには、バーを下ろす位置や肩甲骨の寄せ方が大切になります。

大胸筋の中部だけでなく上部も鍛えて、男らしい迫力のある胸板を手に入れましょう。