オーバーヘッドスクワットは頭上でバーベルを保持したまま、スクワットを行うトレーニング種目です。
通常のスクワットよりも筋肉を高負荷で鍛えることができるほか、実際のスポーツの動きに近いため、継続することでパフォーマンスアップにも繋がります。
本記事では、オーバーヘッドスクワットの正しいやり方や効果を高めるポイント、オーバーヘッドスクワットのバリエーション種目などについて詳しく紹介していきます。
Contents
オーバーヘッドスクワットで鍛えられる筋肉
まずは、オーバーヘッドスクワットで鍛えられる筋肉の特徴や働きについて紹介します。鍛えられる筋肉は以下になります。
下半身の筋肉

オーバーヘッドスクワットでメインに鍛えられるのが、下半身の筋肉です。
特に、お尻の大臀筋と太もも前の大腿四頭筋を集中して鍛えることができ、これらの筋肉はあらゆる動作に関与しているため、強化することで運動能力の向上が見込まれます。
また、人体の中でも大きい筋肉が含まれているため、鍛えると基礎代謝が向上し、太りにくく痩せやすい身体を手に入れることにも繋がります。
脊柱起立筋
脊柱起立筋は首の付け根から腰の辺りまで、背骨に沿って縦に長く伸びている背中の筋肉です。
インナーマッスルである長背筋群の一部でもあり、腸肋筋・最長筋・棘筋の3つで構成されています。
姿勢を保持したり、背中を伸ばすためによく使われているため、鍛えることで正しい姿勢をキープできるようになります。
ローテーターカフ
ローテーターカフは肩甲骨の周辺にある筋肉の総称であり、いわゆる肩のインナーマッスルです。
肩甲下筋・棘上筋・棘下筋・小円筋で構成されており、肩関節の運動を広く担っています。
鍛えると肩関節と上腕骨頭が安定するため、肩の脱臼や肩関節の怪我のリスクを減らすことができます。
オーバーヘッドスクワットの効果

次に、オーバーヘッドスクワットを行うことで得られる効果について紹介します。具体的な効果は以下の通りです。
下半身の筋力が向上する
オーバーヘッドスクワットは重い重量のバーベルを頭上で保持したまま、上体の上げ下ろしを繰り返します。
そのため、通常のスクワットよりも下半身の筋肉を高負荷で鍛えることができ、総合的な筋力アップに繋がります。
また、下半身は全身の筋肉の約7割を占めているため、鍛えると基礎代謝が大幅に向上し、太りにくい体作りにも繋がります。
姿勢が改善される
オーバーヘッドスクワットは通常のスクワットよりも重心の位置が高くなるため、体のバランスが不安定になります。
それにより、体幹部の姿勢を維持する脊柱起立筋やローテーターカフなどの筋肉が刺激されます。
これらの筋肉が鍛えられると上半身を支える力が発達するため、
などの効果を感じられるでしょう。
筋トレのレベルがアップする
一つ一つの筋肉が鍛えられていても、それぞれが上手く連動していなければ、本来の力を最大限発揮することができません。
力余すことなく筋力を発揮させたい場合は、オーバーヘッドスクワットのような上半身と下半身が連動するトレーニングを行うのが効果的です。
上半身と下半身の連動性が高まると、強い力を出しやすくなり、その他のトレーニングのレベルアップに繋がります。
オーバーヘッドスクワットの正しいやり方
ここではトレーニング動画を参考に、オーバーヘッドスクワットの動作の流れやセットの組み方について解説します。
①パワーラックにバーベルをセットする
②肩の角度が40~45度になるように両手でバーを握り、ラックからバーを外す
③腕を伸ばして頭の上でバーを構える
④両足は肩幅よりも広く開いて、つま先はやや外側に向ける
⑤胸を張り、バーベルを安定させながら腰を下ろしていく
⑥太ももが地面と平行になるまで下ろしたら、元の位置まで戻る
オーバーヘッドスクワットは以上の動作を繰り返します。
1セット目はフォームの確認をしたり、メインセットで最大限の筋力を発揮させるために、疲労が残らない程度に筋肉を慣らします。
2~3セット目はかなり重い重量を使い、ターゲットとする筋肉を限界まで追い込みます。
セット間はインターバルを1分30秒~2分ほどとり、水分を補給したり、呼吸を整えましょう。
オーバーヘッドスクワットの効果を高める4つのポイント
続いて、オーバーヘッドスクワットの効果をより高めるポイントについて紹介します。ポイントは以下の通りです。
顔は正面に向ける
オーバーヘッドスクワットを行なうときは、常に顔を正面に向けることが重要です。
顔を下に向けた状態で行うと、腰や背中が丸まりやすくなるため、腰に大きな負担がかかって腰痛の原因に繋がります。
キツくなると目線が下に向きがちになりますが、正しいフォームで行うためにも、顔は正面に向けたまま行いましょう。
膝を内側に入れない
初心者によくありがちな例ですが、膝が内側に入らないように注意して下さい。
膝を内側に向けた状態で行うと、下半身に十分な負荷がかからないだけでなく、膝を痛めるリスクも高まります。
膝はつま先と同じ同じ方向に向けたまま、腰を落としていきましょう。
バーベルをブラさない
オーバーヘッドスクワットでは、動作の途中でバーベルをブラさないことも大切です。
バーが前後左右にブレてしまうと、肩の関節を痛めたり、下半身の筋肉から負荷が逃げてしまいます。
体幹部に力を入れて胸を張り、地面に対して垂直にスクワットを行うように意識しましょう。
腰をしっかりと落とす
オーバーヘッドスクワットで腰を落とすときは、太ももが床と平行になる辺りまで下ろしましょう。
そこまで深くしゃがむことで、大臀筋やハムストリングスに強い刺激を与えることができます。
また、腰を深く落とすとバランスも不安定になるため、体幹にも強い負荷をかけることができます。
バーベル以外で行うオーバーヘッドスクワットのやり方3選
最後に、バーベル以外で行うオーバーヘッドスクワットの種類とそのやり方を紹介します。
バーベルで行うのが難しかったり、より不安定性の高いトレーニングを行いたい方は、ぜひ取り組んでみて下さい。
①ダンベルオーバーヘッドスクワット
ダンベルオーバーヘッドスクワットは軽い重量から始められるため、筋トレを始めたばかりの初心者におすすめの種目です。
バーベルよりも不安定性も高まるので、体幹の筋肉をより効果的に鍛えることができます。
①両手にダンベルを握る
②両腕を上げ、頭上でダンベルを構える
③上体を真っすぐ保ちながら、腰を落としていく
④太ももが地面と平行になるまで落としたら、元の位置まで戻る
✓ポイント
・腰を丸めたり、反らさない
・体幹に力を入れる
・胸をしっかりと張る
②ワンハンドオーバーヘッドスクワット
この種目では、片手のみでダンベルを持ち上げて行うため、左右非対称の状態になった姿勢維持の活動を身体に馴染ませることができます。
体幹を少し傾けたまま支えるため、さらに不安定性が大きくなり、体幹の強化に繋がります。
①ダンベルを片方の手に握る
②腕を上げて、ダンベルを頭上で構える
③上体を真っすぐ保ちながら、腰を落としていく
④太ももが地面と平行になるまで落としたら、元の位置まで戻る
✓ポイント
・ダンベルを左右にブラさない
・もう片方の手でバランスをとる
・つま先をやや外側に向ける
③プレートオーバーヘッドスクワット
この種目は両手でプレートを持って行うため、ダンベルと同様に片手・両手のどちらでも取り組むことができます。
また、プレートはダンベルよりも重心が定まりにくい特性があることから、かなり不安定性が高い状態でトレーニングを行なえます。
①プレートを片手か両手でしっかりと握る
②腕を上げて、プレートを頭上で構える
③上体を真っすぐ保ちながら、腰を落としていく
④太ももが地面と平行になるまで落としたら、元の位置まで戻る
✓ポイント
・プレートを強く握りすぎない
・適切な重量を扱う
・目線は正面に向ける
まとめ
今回は、オーバーヘッドスクワットのやり方や効果、ポイントについて紹介しました。
オーバーヘッドスクワットは上半身と下半身を連動させながら行うトレーニングであり、下半身の強化だけでなく、スポーツの競技力アップにも繋がります。
普段の筋トレメニューに取り入れて、全身を効率よく鍛えていきましょう。
・下半身の筋肉
・脊柱起立筋
・ローテーターカフ