懸垂の正しいやり方や効果|懸垂ができない原因も解説

懸垂は背中の筋肉を鍛える代表的なトレーニングであり、多くの人が取り組んでいます。

体を上げ下げするというシンプルな動作ですが、難易度が高く、正しいフォームができている人は意外と少ないです。

本記事では、懸垂の正しいやり方や効果を高めるポイント、懸垂のバリエーション種目などについて詳しく紹介していきます。

懸垂の効果

まずは、懸垂を行うことで得られる効果について紹介します。具体的な効果は以下の通りです。

・逆三角形の背中に近づく
・体幹が強化される
・ダイエットに繋がる

逆三角形の背中に近づく

懸垂は腕のトレーニングだと思われがちですが、身体を持ち上げるときに大きな刺激が背中の筋肉に加わります。

前腕や上腕二頭筋、腹筋も鍛えられますが、メインで鍛えられるのは、背中にある広背筋大円筋です。

広背筋と大円筋が発達すると背中の幅が広がるため、逆三角形の背中を手に入れることができます。

体幹が強化される

懸垂は背中や腕の筋力を向上させるだけでなく、体幹を強化する効果もあります。

体幹は身体のバランスを維持する働きがあるため、体幹が強化されると

  • 体が安定するようになる
  • 当たり負けしにくくなる
  • 姿勢が改善される

などの効果を実感できるようになります。

スポーツや競技のパフォーマンス向上にも繋がるので、普段から運動をしている人は懸垂に取り組むべきでしょう。

ダイエットに繋がる

懸垂では、背中や腕、お腹など、様々な筋肉を同時に鍛えることができます。

大きい筋肉を鍛えるほど基礎代謝は向上するため、懸垂を日常的に取り組むことで一日の消費カロリーが増え、痩せやすい体質に変化します。

懸垂ができない原因

懸垂はボディメイクや運動面への効果が高いトレーニングですが、懸垂ができない人もいます。

懸垂を早くできるようになるためにも、できない原因を知っておきましょう。

・腕の筋力が足りない
・体重が重い

腕の筋力が足りない

体重がそこまで重たくないのにも関わらず懸垂ができない方は、腕の筋力が不足している可能性があります。

腕の筋力が足りていないと、身体を上に持ち上げることが難しくなります。

腕の筋力がないと感じる場合は、まず上腕二頭筋や上腕三頭筋を優先して強化させるのがよいでしょう。

体重が重い

懸垂は自分の体重を負荷として行うトレーニングの一つです。そのため、脂肪や筋肉がついていて体重が重ければ重いほど、負荷がより大きくなります。

実際に、筋肉ムキムキな人が懸垂がほどんどできなかったり、筋肉がなくて軽そうな人が軽々と懸垂をこなしている、というのもよく見かけます。

筋力はあるのに懸垂ができないという場合は、体重を少しずつ落としていくのも効果的です。

懸垂の正しいやり方

ここではトレーニング動画を参考に、懸垂の動作の流れやセットの組み方について解説します。

やり方

①順手でバーを握り、腕を少し広めに開く
②地面から足を離し、肩甲骨を引き寄せながら上体を持ち上げていく
③顎がバーと同じ高さになるまで持ち上げたら、上体を少しキープする
④腕を伸ばして、肘が伸びきらない程度まで上体を下ろしていく

懸垂は以上の動作を繰り返します。

「8回以上を1セット」として3セット行い、各セットできるだけ限界まで追い込みます。

セット間はインターバルを1分30秒~2分ほどとり、呼吸を整えたり、水分を補給しましょう。

懸垂の効果を高める3つのポイント

次に、懸垂の効果を最大限高めるポイントについて紹介します。ポイントは以下になります。

・強く握りすぎない
・反動を使わない
・広い手幅でバーを握る

強く握りすぎない

バーを握るとき、強く握りすぎないように注意しましょう。

バーを強く握ると握力や前腕に力が入るので、広背筋や大円筋を効率よく刺激することができません。

両手は握るというより支えているだけ、というイメージでグリップを握るように意識しておきましょう。

反動を使わない

トレーニングの後半になると疲れが溜まり、脚の力を利用して身体を持ち上げようとしたり、上体を左右に揺さぶる人がいます。

このように反動を使うとフォームが崩れてしまうため、広背筋に効かせることが難しくなります。

懸垂は最初から最後まで、上体は動かさずに固定させ、反動を使わずに身体を真っすぐ持ち上げることが大切です。

広い手幅でバーを握る

広背筋や大円筋にしっかりと刺激を与えるためにも、なるべく広い手幅でバーを握るようにしましょう。

手幅が狭いと前腕や上腕二頭筋に負荷が逃げてしまい、背中の筋肉への刺激が弱まってしまいます。

骨格や身長などの影響で個人差はありますが、広背筋に効いていると感じる手幅を自分で探しましょう。

懸垂のバリエーション種目5選

懸垂は一種類だけでなく、様々なやり方が存在します。

鍛えられる筋肉や難易度も異なるので、どんどん挑戦していきましょう。

①逆手懸垂(チンアップ)
②ナローグリップチンニング
③ワイドグリップチンニング
④L字懸垂
⑤ワンハンドチンニング

①逆手懸垂(チンアップ)

通常の懸垂はバーを順手で握りますが、逆手懸垂では手のひらが体に向くように逆手で握ります。

難易度は高まりますが、広背筋の上部を鍛えるのに効果的です。

やり方

①逆手でバーを握り、肩幅くらいに腕を広げる
②地面から足を離し、上体を持ち上げていく
③顎がバーと同じ高さになるまで持ち上げたら、上体を少しキープする
④腕を伸ばして、上体をゆっくり下ろしていく

✓ポイント
・手幅を広げすぎない
・なるべく上体を高く引き寄せる
・両足を後方においてバランスをとる

②ナローグリップチンニング

ナローグリップチンニングは、通常の懸垂よりも両手の幅を狭くして行います。

肘の関節の負担が大きくなりますが、背筋だけでなく大胸筋にも効果があります。

やり方

①順手か逆手でバーを握り、手幅を握りこぶし一個分にする
②両足を地面から離し、上体を持ち上げる
③顎がバーと同じ高さになるまで持ち上げたら、上体を少しキープする
④腕を伸ばして、上体を下ろしていく

✓ポイント
・垂直に身体を持ち上げる
・手首を返さない
・肘は少しだけ外に向ける

③ワイドグリップチンニング

両手の幅を肩幅よりも広く広げて行うのが、ワイドグリップチンニングです。

大円筋や広背筋など、背中の筋肉を集中して鍛えることができます。

やり方

①順手でバーを握り、手幅を肩幅よりも広く広げる
②両足を地面から離し、上体を持ち上げていく
③顎がバーと同じ高さになるまで持ち上げたら、上体を少しキープする
④腕を伸ばして、上体を下ろしていく

✓ポイント
・胸をバーに引き寄せるイメージで行う
・腕を動かさない
・背中を丸めず、肩を上げない

④L字懸垂

L字懸垂は、両足を前に伸ばして体をLの形にした状態で行います。

上級者レベルですが、上半身を高負荷で鍛えることができます。

やり方

①順手か逆手でバーを握り、手幅を肩幅くらいに広げる
②足を地面から離し、足を伸ばして体全体で「L」の形を作る
③肘を曲げて、身体を持ち上げていく
④顎がバーと同じ高さになるまで持ち上げたら、上体を少しキープする
⑤腕を伸ばして、上体を下ろしていく

✓ポイント
・途中で両足を下ろさない
・腹筋の下部を意識して足を持ち上げる
・目線を正面に向ける

⑤ワンハンドチンニング

懸垂のトレーニングの中で最も難易度が高いのが、片手のみで行う逆手懸垂です。

広背筋への負荷が高く、握力も同時に強化することができますが、無理をすると関節部位を痛める恐れがあります。

最初は上がる動きは両腕で行い、下がる動作のみ片手でするなど、徐々に難易度を上げていくのがオススメです。

やり方

①片手(順手または逆手)でバーを握る
②両足を地面から離し、上体を持ち上げていく
③顎がバーと同じ高さになるまで持ち上げたら、上体を少しキープする
④腕を伸ばして、上体を下ろしていく

✓ポイント
・腰を反らしすぎない
・空いている腕は腰の後ろにあてる
・体をなるべく動かさない

まとめ

今回は、懸垂の正しいやり方や効果を高めるコツ、バリエーションを紹介しました。

懸垂の効果を最大限高めるためには、バーの握り方や上体の使い方を工夫する必要があります。

通常の懸垂に慣れてきたら、逆手懸垂やL字懸垂など、難易度の高い懸垂にも挑戦していきましょう。