腕立て伏せの効果的なやり方と11種類のメニュー|鍛えられる部位やポイントも解説

腕立て伏せは胸を鍛えるトレーニングの定番であり、体育の授業や部活などで取り組んだことがある方は多いでしょう。

難しいテクニックや大きな筋力を必要とせず、自宅で気軽に取り組めるなどのメリットがあることから、筋トレ初心者の方にもおすすめできます。

本記事では、そんな腕立て伏せの正しいやり方や鍛えられる筋肉、腕立て伏せのバリエーションについて詳しく紹介していきます。

腕立て伏せで鍛えられる筋肉

大胸筋

腕立て伏せは上半身の筋肉を鍛えるトレーニング種目ですが、その中でもメインターゲットとなるのが大胸筋です。

大胸筋は胸の前にある筋肉であり、うつ伏せの状態から起き上がるときや、手のひら同士を合わせるときなどに使われています。

上部・中部・下部の3つの部分に分かれていますが、腕立て伏せでは中部を重点的に鍛えることができ、腕立て伏せの種類によっては上部や下部にも負荷をかけることが可能です。大胸筋を鍛えるメリットとしては、

  • 胸板が厚くなる
  • 代謝がアップする
  • 押す力が強くなる
  • スーツが似合うようになる

などが挙げられており、ボディメイク目的だけでなく、ダイエット目的で筋トレを行っている方にもおすすめです。

上腕三頭筋

上腕三頭筋は上腕二頭筋の裏側にある筋肉であり、腕立て伏せでは大胸筋と同時に鍛えることができます。

肩から肘にかけて付着しているため、肘を伸ばしたときに腕の後ろ側に浮き出てくるのが分かります。

上腕三頭筋は腕の筋肉の中で最も大きいため、上腕三頭筋を集中して鍛えることで、腕を効率よく太くすることができます。

三角筋

三角筋は肩関節を覆っている表層の筋肉であり、腕をあらゆる方向に動かすほど可動域が広いという特徴があります。

三角筋は前部・中部・後部に分かれていますが、腕立て伏せでは、腕を前に上げるときに作用する前部に負荷がかかります。

三角筋中部だけでなく、前部や後部もバランスよく鍛えることで、丸みを帯びた肩を手に入れることが可能です。

体幹部の筋肉

腕立て伏せは上体を上げ下げする動作がメインですが、トレーニング中は常に同じ姿勢を保つ必要があります。

そのため、腕立て伏せには体幹トレーニングとしての効果もあり、腹筋・胸筋・背筋の筋肉を含めた体の幹でもある体幹に刺激を与えることができます。

そこまで大きな負荷はかかりませんが、体幹が強化されることで体のバランス向上やお腹の引き締めなどに繋がります。

腕立て伏せの正しいやり方

やり方

①床にうつ伏せの姿勢になり、肩幅よりも拳二つ分ほど広く両手を開く
②足を伸ばしてつま先だけを床につけ、腕とつま先で体を支える
③頭からかかとまでが一直線になるように姿勢を保ち、目線は前方に向ける
④脇が開かないように肘を曲げて、上体を下ろしていく
⑤床につくギリギリまで下げたら、地面を押し上げて元の位置まで上体を起こす

腕立て伏せは以上の動作を繰り返します。

  • 15~20回を1セットとして、3~5セットを目安に行う
  • インターバルを30秒ほどとる

トレーニング中は正確なフォームを意識しながら、ターゲットとする筋肉にしっかり刺激を与えることが大切です。

インターバルでは水分を補給したり、呼吸を整えたりなどして、次のセットまで筋肉を一時的に回復させましょう。

ある程度負荷に慣れてきたら、回数やセット数を増やしてみるのがおすすめです。

腕立て伏せの効果を高める4つのポイント

身体を真っすぐ保つ

腕立て伏せの動作中は、常に身体を真っすぐ保つようにしましょう。

腰が曲がっていたり、背中を反らした状態で行うと大胸筋から負荷が逃げてしまうため、トレーニング効果が低下する恐れがあります。

お腹にしっかりと力を入れて、頭からかかとまでが一直線になるようにキープすることが大切です。

体はできるだけ深く下ろす

上体を下ろしていくとき、なるべく深い位置まで体を沈めることも大切なポイントです。

深く下ろすことで大胸筋に強い刺激を与えることができますが、反対に下ろす位置が浅ければ、それだけ大胸筋にかかる負荷は小さくなってしまいます。

胸が地面から拳一つ分のところ、あるいは床ギリギリを目安に、上体を下ろしましょう。

呼吸を止めない

腕立て伏せにおける正しい呼吸は、「上体を下げるときに息を吸い上体を起こすときに息を吐く」が基本です。

トレーニング中に息を止めてしまうと、筋力を最大限発揮することができず、大胸筋への刺激も弱まってしまいます。

呼吸をテンポよくすることで、腕立て伏せをリズムカルに行うことができるので、呼吸の仕方も意識してみてください。

腕立て伏せの種類を増やす

腕立て伏せはそこまで強度が高いトレーニングではないため、ほとんどの人は慣れてきたら、何十回と繰り返せるようになります。

ある程度筋力や筋肉がついてきたら、腕立て伏せのバリエーションを増やし、負荷を高めていくことが大切です。

腕立て伏せにはデクラインプッシュアップやワイドプッシュアップ、サイドプッシュアップなど、強度の高いものから上部や下部を鍛える種類もあるので、気になるトレーニングを組み合わせて大胸筋をしっかり鍛え上げましょう。

腕立て伏せのバリエーション種目11選

①膝つき腕立て伏せ

膝つき腕立て伏せはその名の通り、床に両膝をついた状態で腕立て伏せを行なうトレーニングです。

膝をつくことで負荷が小さくなり、通常の腕立て伏せよりも大胸筋に与えられる刺激は弱まってしまいますが、腕立て伏せができない人におすすめです。

やり方

①四つん這いになり、両手を肩幅よりも少し広めに開ける
②背中を真っすぐ保ち、視線は床の斜め前に向ける
③肘を曲げて、上体を深く下ろしていく
④肘を伸ばして、元の位置まで戻る

✓ポイント
・頭から膝までを真っすぐ維持する
・脇を開かない
・下半身を動かさない

✓セットの組み方
20~30回を1セットとする
3~5セットを目安に行う
インターバルを30秒ほどとる

>>膝つき腕立て伏せの正しいやり方【筋トレ初心者にオススメの筋トレ】

②ワイドプッシュアップ

ワイドプッシュアップは広い手幅で行う腕立て伏せのバリエーションです。

通常の腕立て伏せよりも上腕三頭筋への負荷が小さくなり、大胸筋への負荷が大きくなるため、大胸筋を重点的に鍛えることができます。

やり方

①地面にうつ伏せになり、肩幅よりもかなり広い手幅をとる
②身体を真っすぐ保つ
③肘を曲げて、上体を深く下ろす
④肘を伸ばして、元の位置まで戻る

✓ポイント
・できるだけ体を深く下ろす
・両手はやや外側に向ける
・お腹にしっかり力を入れる

✓セットの組み方
10~15回を1セットとする
3~5セットを目安に行う
インターバルを30秒ほどとる

>>ワイドプッシュアップの正しいやり方|効果のある部位やポイントも解説

③ナロープッシュアップ

ナロープッシュアップは手幅をかなり狭くして行う腕立て伏せの種類です。

手幅を狭めることで、大胸筋の内側上腕三頭筋に強い刺激を与えることができます。

やり方

①両手を肩幅よりも少し狭くして床につける
②腕立て伏せの姿勢を作る
③肘を曲げて、上体を深く下ろす
④肘を伸ばして、元の位置まで戻る

✓ポイント
・手の先はやや内側に向ける
・肩をすくめない
・床ギリギリまで下ろす

✓セットの組み方
15~20回を1セットとする
3~5セットを目安に行う
インターバルを30秒ほどとる

>>ナロープッシュアップのやり方や効果|上腕三頭筋に効かせるコツも解説

④インクラインプッシュアップ

ベンチや椅子などに両手を置き、斜めの姿勢で行うのがインクラインプッシュアップです。

傾斜をつけることで、身体に対して斜め下側に腕を押し出す形となるため、大胸筋の下部を重点的に鍛えることができます。

やり方

①ベンチや椅子など、高さのあるものに両手を置く
②手幅は肩幅よりも広げ、頭からかかとまでを真っすぐ保つ
③肘を曲げて、胸をベンチに近づける
④肘を伸ばして、元の位置まで戻る

✓ポイント
・大胸筋下部を意識する
・背中を丸めない

✓セットの組み方
15~20回を1セットとする
3~5セットを目安に行う
インターバルを30秒ほどとる

⑤デクラインプッシュアップ

インクラインプッシュアップとは反対に、両足をベンチや椅子に乗せて行うのがデクラインプッシュアップです。

傾斜をつけることで上半身側に重心が移動するため、通常の腕立て伏せよりも難易度が高いですが、大胸筋の上部に負荷をかけられます。

やり方

①両足をベンチや椅子などに乗せる
②両手を床につけ、体を真っすぐ保つ
③肘を曲げて、上体を下ろしていく
④肘を伸ばして、元の位置まで戻る

✓ポイント
・体重は手首の根元に乗せる
・肘はやや外側に開ける
・深い位置まで上体を下ろす

✓セットの組み方
10~15回を1セットとする
3~4セットを目安に行う
インターバルを30秒ほどとる

>>デクラインプッシュアップの正しいやり方やポイント【大胸筋上部に効く腕立て伏せ】

⑥ヒンズープッシュアップ

ヒンズープッシュアップは体を大きく動かす動作が加えられた腕立て伏せのバリエーションです。

地面スレスレで体を動かすことで、大胸筋や上腕三頭筋だけでなく、腹筋も同時に鍛えることができます。

やり方

①両手と両足を広めに開ける
②腰を高く突き上げて、背中を真っすぐにする
③肘を待て、上体を滑り込むように下ろす
④そのままの勢いで上体を反らす
⑤肘を伸ばして、元の位置まで戻る

✓ポイント
・お尻を落とさない
・なるべく体を大きく動かす
・足の位置を高くして負荷を増やす

✓セットの組み方
10~15回を1セットとする
3~5セットを目安に行う
インターバルを30秒ほどとる

>>ヒンズープッシュアップの効果的なやり方【上半身を高負荷で鍛える腕立て伏せ】

⑦サイドプッシュアップ

サイドプッシュアップは横向きで床に寝そべり、上側の手で上体を起こす腕立て伏せの種類です。

片手のみで動かすため、腕の力がない方でも大胸筋にしっかりと効かせられるというメリットがあります。

やり方

①床に横向きになり、両膝を曲げる
②上側にある手を床につける
③肘を伸ばして、上体を起こす
④30度を目安に起こしたら、元の位置まで戻る
⑤反対側も同じように行い、左右で1セットとする

✓ポイント
・胸を軽く張る
・骨盤を軸にして上体を起こす
・腹筋に力を入れない

✓セットの組み方
左右各15~20回を1セットとする
3~4セットを目安に行う
インターバルを30秒ほどとる

>>サイドプッシュアップの正しいやり方|大胸筋内側に効かせるコツを解説

⑧リバースプッシュアップ

ベンチや椅子に手を置き、仰向けの姿勢で行うのがリバースプッシュアップという腕立て伏せです。

腕の曲げ伸ばしのみで上体を動かすことで、上腕三頭筋に強烈な刺激が与えられるため、腕を太くしたい方におすすめです。

やり方

①背中側にベンチや椅子などを置き、その上に両手を乗せる
②手幅は肩幅より少し広くとり、手の方向は前方に向ける
③肘を曲げて、お尻を落とす
④限界まで落としたら、上腕三頭筋が伸びきるまで肘を伸ばす

✓ポイント
・上腕三頭筋を伸ばしきる
・両足に力を入れない
・目線は正面に向ける

✓セットの組み方
15~20回を1セットとする
3~5セットを目安に行う
インターバルを30秒ほどとる

⑨プランクプッシュアップ

プランクプッシュアップは体幹トレーニングである「プランク」と腕立て伏せを組み合わせた種目です。

体幹や大胸筋をメインで鍛えることができるため、継続することで身体の安定感が増し腰痛や転倒の予防に繋がります。

やり方

①床に四つん這いになり、肘をつける
②肘とつま先のみで体を支える
③それぞれ肘を伸ばし、腕を真っすぐにする
④腕立て伏せの動作を行う
⑤肘を曲げて床につけ、元の位置まで戻る

✓ポイント
・肩にあまり力を入れない
・体のバランスを崩さない
・テンポよく行う

✓セットの組み方
10~15回を1セットとする
3~4セットを目安に行う
インターバルを30秒ほどとる

>>プランクプッシュアップのやり方や効果【腕立てと体幹を交互に行う筋トレ】

⑩スパイダーマンプッシュアップ

スパイダーマンプッシュアップは蜘蛛のような動きで行う腕立て伏せであり、上半身の筋肉だけでなく、太もも前面の大腿四頭筋も同時に鍛えることができます。

腕立て伏せの中でも難易度が高いですが、全身の筋力を高めたりバランス感覚が身につくことが期待されています。

やり方

①床にうつ伏せになり、腕立て伏せの姿勢になる
②上体を下ろすと同時に、片足を浮かせて膝を肘に近づける
③肘を伸ばして、元の位置まで戻る

✓ポイント
・膝は地面と平行に動かす
・テンポよく行う
・背中を真っすぐキープする

✓セットの組み方
10~15回を1セットとする
3~5セットを目安に行う
インターバルを30秒ほどとる

>>スパイダーマンプッシュアップの効果的なやり方【全身の筋肉を鍛える特殊な腕立て伏せ】

⑪スーパーマンプッシュアップ

腕立て伏せに地面から飛び跳ねる動作を加えたのが、スーパーマンプッシュアップです。

高くジャンプするためにはかなりの筋力が必要であるため、腕立て伏せの中でもトップクラスに難易度が高いですが、全身の筋肉を満遍なく鍛えることができます。

やり方

①腕立て伏せの姿勢になる
②肘を曲げて、上体を深く下ろす
③肘を伸ばし、起き上がると同時に両手と両足を浮かせる
④両手と両足を大きく動かし、スーパーマンの姿勢を作る
⑤すぐに肘を曲げて、上体を下ろす

✓ポイント
・背中を曲げない
・お腹に力を入れる
・関節や筋肉が痛くなったらすぐにやめる

✓セットの組み方
5~8回を1セットとする
2~3セットを目安に行う
インターバルを1分ほどとる

>>スーパーマンプッシュアップの正しいやり方やポイント【腕立て伏せの最高峰】

腕立て伏せを習得してカッコいい身体を手に入れる

今回は、腕立て伏せの正しいやり方やポイント、腕立て伏せのおすすめのバリエーションについて紹介しました。

腕立て伏せは筋力トレーニングの王道であり、大胸筋をメインターゲットとしながら、大胸筋や三角筋など、上半身の筋肉を総合的に鍛えることができます。

腕立て伏せのバリエーションを増やすことで、大胸筋に様々な角度から刺激を与えられるので、効率よく大胸筋を肥大化することができるでしょう。

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