「食べすぎると太りやすくなった」「年をとるにつれて脂肪が気になってきた」「身体が冷えやすい」
このような悩みを持っている人は、基礎代謝が低下しているのが原因かもしれません。太りにくく痩せやすい身体を手に入れるためには、代謝を高めることが大切です。
本記事では、基礎代謝の概要や基礎代謝が下がる原因、効率よく基礎代謝を高める方法などについて詳しく紹介していきます。
Contents
基礎代謝の概要

基礎代謝とは、心臓を動かしたり体温を一定に保つなど、人間が生命を維持するために消費される必要最小限のエネルギーのことです。
簡単に言うと、何もせずにぼーっとしている状態でも消費される1日あたりのエネルギー量のことです。
一般男性は約1500kcal、一般女性は約1200kcalですが、基礎代謝量は年齢や性別だけでなく、体格(筋肉と脂肪の比率)、身体活動レベル、ホルモンなど、様々な要素によって変化します。
年齢 | 若いほど成長による体内の代謝が活発であるため、基礎代謝が高い |
性別 | 男性の方が筋肉量が多いため、女性よりも基礎代謝が高い |
体格 | 筋肉質の人は脂肪質の人に比べて基礎代謝が高い |
ホルモン | 甲状腺ホルモンや副腎髄質ホルモンの分泌量が多い人ほど、そうでない人と比べて基礎代謝が高い |
体温 | 体温が1℃上がるごとに代謝量は13%増えるため、体温が高い人ほど基礎代謝は高い |
季節 | 基礎代謝は夏に低く、冬に高いとされている |
このように、あらゆる要素が基礎代謝量に影響を及ぼすため、基礎代謝量は年齢や身長、体重でも異なります。
基礎代謝が高いほど、特に運動をしなくても多くのカロリーが消費されるので、太りにくい体型を維持することができます。
基礎代謝が下がる3つの原因

ここでは、基礎代謝が下がってしまう原因を3つ紹介します。
代謝が下がる原因を知り、基礎代謝の低下を防ぎましょう。具体的な原因は以下になります。
加齢による筋肉量の減少
一般的に、基礎代謝は年齢を重ねるにつれて低下していきますが、その大きな原因は、加齢や運動不足による筋肉量の減少です。
基礎代謝は筋肉量と比例しているため、筋肉が減っていくほど基礎代謝も低下し、太りやすい身体になってしまいます。
実際に、日本では男性は30代から、女性は40代から肥満者の割合が増えているため、年をとっても適度な運動をして筋肉量を維持することが重要です。
無理なダイエットによる筋肉量の減少
1日を通してほとんど食べ物を口にしないなど、過剰な食事制限を行うようなダイエットをすると、体がエネルギー不足になります。
エネルギーが足りていないと、それを確保するために筋肉が分解されるようになり、結果として基礎代謝が下がります。
無理なダイエットをして体重が一時的に落ちたとしても、代謝の低下によりエネルギーが消費されにくくなるので、すぐにリバウンドしてしまうでしょう。
不規則な生活による自律神経の乱れ
毎日夜更かしをしていたり、昼夜逆転をしたりと不規則な生活をしていると、自律神経が乱れます。
自律神経が乱れると基礎代謝が徐々に低下するだけでなく、生活習慣病のリスクも高まります。
健康的な身体を手に入れるためにも、起床時間はなるべく一定に保ち、規則正しい生活を心がけましょう。
基礎代謝を効率よく上げる方法7選

基礎代謝が下がる原因を紹介したところで、ここからは基礎代謝を効果的に高める方法を紹介します。
どの方法も日常生活に取り入れやすく、実践しやすいので、参考にしてみて下さい。
①筋トレ
基礎代謝を上げる方法として欠かせないのが、筋力トレーニング(筋トレ)です。筋肉量が増えると基礎代謝も高まるので、筋トレをして筋肉をつけることで、太りにくく痩せやすい身体を手に入れることが可能です。
しかし、短期間で筋肉を増やすことはかなり難しいので、まずは負荷の軽い自重トレーニングから始めていきましょう。
例えば、腕立て伏せ10~15回、スクワット15~20回、クランチ10~15回を1セットとして、これを1日に3セット、週2~3回行います。ポイントとしては
を意識して取り組みましょう。慣れてきたら、ダンベルやバーベルを使ったフリーウェイトトレーニングにも挑戦してみてください。
②有酸素運動
有酸素運動とは、筋肉を動かすときのエネルギー減として酸素が使われる、負荷の軽い運動のことをいいます。
有酸素運動には脂肪燃焼効果があり、血流を改善する効果も見込まれているため、ダイエットの定番とされています。ただし、有酸素運動をやりすぎて体重が減ると、脂肪量とともに筋肉量も減ってしまい、基礎代謝量が低下します。
ウォーキングやジョギング、水泳、エアロビクス、サイクリングなど、自分の好きな有酸素運動を1日に20~30分、週に3~4日の頻度で取り組むのが効果的です。
③起床後にコップ一杯の水を飲む
寝ている間にも、人間の体からは500mlほどの水分が失われていると言われています。失われた水分を補給するためにも、朝起きたらコップ一杯の水を飲みましょう。
起床時に水分を補給することで血行が良くなり、基礎代謝を向上させることが期待されます。
このとき、白湯(お湯)を飲むと胃腸が温まって内臓の動きが活性化されるので、代謝がより上がりやすくなります。
④身体が温まる食べ物を摂る
人間の体には、体温が1度上昇すると代謝量が13%増えるという仕組みが備わっています。
そのため、体が温まる食べ物やタンパク質の多く含まれる食材を食べることで、代謝アップに繋がります。
体を温めてくれる食材
・薬味や香辛料
例:生姜、にんにく、とうがらしなど
・根菜類や暖色の野菜
例:にんじん、かぼちゃ、ごぼう、玉ねぎなど
・未精白のもの
例:玄米、全粒粉パン、未精白の砂糖など
・タンパク質が豊富にある食材
例:鶏肉、ささみ、白身魚、卵、豆類、豆腐など
日本人の平熱は36.89℃が平均だとされていますが、平熱が35℃代の人も多くいます。
体温が低いほど基礎代謝も低下するので、普段から体を温めてくれる食べ物を積極的に食べるようにしましょう。
⑤水分を多く摂取する
人間のおよそ6割は水でできており、体内の水は血液として体の中を巡り、細胞に酸素や栄養素を届ける働きがあります。
そのため、水分をしっかりと摂取することで血液の流れがスムーズになり、細胞に水分が届いて活性化することで、代謝が上がります。
また、水を飲むことで血液が筋肉にもしっかりと送り込まれるので、筋肉を効率よく増やすのにも役立ちます。
1日の水分の必要量は個人差がありますが、身体活動レベルが低い人は1日2.3~2.5L程度、高い人は3.3~3.5L程度が目安です。
⑥腸内環境を整える
腸は第二の脳と言われるほど重要な臓器であり、腸内環境が整っていると、代謝が高く脂肪が燃焼しやすい状態です。
綺麗な腸内環境を作るためには、善玉菌が含まれる発酵食品と、善玉菌の餌となる食物繊維が豊富に含まれる食品を食べることが大切です。
腸内環境を整える食品
・発酵食品~納豆、味噌、漬物、キムチ、ヨーグルト、チーズなど
・食物繊維~さつまいも、ほうれん草、にんじん、ブロッコリー、果物など
反対に、腸内環境が乱れていると基礎代謝が低下するだけでなく、免疫力の低下や便秘、肌荒れなど、様々な悪影響を及ぼします。
⑦入浴する
基礎代謝を効果的に高めるには、体温を上げたり、自律神経を整える必要があります。
しっかりと湯船に浸かって体を芯から温めると、代謝が上がるだけでなく、血液やリンパの流れが良くなって老廃物が溜まりにくくなります。
入浴するときに身体を効率よく温めるポイントとしては、
などが挙げられます。
睡眠の質を高めるためにも、入浴は就寝の1~2時間前に済ませ、入浴後は読書や音楽を聴くなどリラックスして過ごしましょう。
まとめ
今回は、基礎代謝の基本的な知識や、基礎代謝を効率よく高める方法について紹介しました。
基礎代謝は年齢とともに低下していくものであり、代謝が悪いとダイエットをしても痩せにくくなったり、食べるとすぐ太りやすくなります。
基礎代謝を上げるためにも、普段から筋トレや有酸素運動に取り組んだり、毎日湯船に浸かるなど、習慣づけましょう。
・加齢による筋肉量の減少
・無理なダイエットによる筋肉量の減少
・不規則な生活による自律神経の乱れ