スモウデッドリフトはその名の通り、両足を広げて相撲の四股のような体勢で行うデッドリフトのことです。
下半身の筋肉を高負荷で鍛えることができ、腰への負担も少ないことから、腰に不安があったり身体が硬い人でも安全に取り組めます。
本記事では、スモウデッドリフトの正しいやり方や鍛えられる筋肉の特徴、効果を高めるポイントなどについて詳しく紹介していきます。
Contents
スモウデッドリフトで鍛えられる筋肉
まずは、スモウデッドリフトで鍛えられる筋肉の特徴や働きについて紹介します。鍛えられる筋肉は以下になります。
内転筋
内転筋は内ももに沿うように位置している筋肉であり、大内転筋や小内転筋、長内転筋、恥骨筋などが含まれています。
足を内側に閉じたり、骨盤を安定させるなどの役割を果たしており、日常生活のあらゆる動作やスポーツの動きに関与しています。鍛えることで、
などの効果が期待されており、内転筋はボディラインを整えるのに欠かせない筋肉です。
大臀筋
お尻の筋肉は大臀筋、中臀筋、小臀筋で構成されていますが、最も表面にあるのが大臀筋です。
大臀筋が衰えるとお尻が垂れたり、足腰が弱くなるなどの悪影響を及ぼすため、普段から鍛えておくことが大切です。
足幅を広くとるスモウデッドリフトでは、大臀筋の収縮を感じやすいので、すぐにヒップアップなどの効果が現れるでしょう。
大腿四頭筋
大腿四頭筋は太ももの前面に位置している筋肉であり、大腿直筋・内側広筋・外側広筋・中間広筋の4頭で構成されています。
歩く、走るなどの基本動作や、ランニング中にスピードを落としたり、ジャンプをした後の着地時に身体を止める働きもあります。
大腿四頭筋は人体の中で一番大きい筋肉であるので、鍛えることで基礎代謝が大幅に向上し、脂肪が燃焼されやすくなります。
スモウデッドリフトと通常のデッドリフトの違い
スモウデッドリフトと通常のデッドリフトでは、いくつかの違いがあります。
以下の表は、2つのデッドリフトの違いを表したものです。
スモウデッドリフト | 通常のデッドリフト | |
---|---|---|
メインに鍛え られる筋肉 | 内転筋、大臀筋、大腿四頭筋 | 脊柱起立筋、広背筋、ハムス トリングス、大臀筋 |
足幅 | 肩幅の2倍ほど | 肩幅程度 |
バーの移動距離 | 短い | 長い |
腰への負担 | 小さい | 大きい |
スタート | きつい | 楽 |
フィニッシュ | 楽 | きつい |
スモウデッドリフトは通常のデッドリフトよりも足幅をかなり広げて行います。
これにより身体の重心が低くなるため、バーベルが移動する距離は短くなります。
また、身体は前傾させずに真っすぐ保つため、腰にかかる負担が小さく、腰に不安がある人でも安心して取り組むことができます。
スモウデッドリフトの正しいやり方
ここではトレーニング動画を参考に、スモウデッドリフトの動作の流れやセットの組み方について解説します。
①バーベルを床に置き、足の中心の真上にあるようにする
②両足を肩幅の2倍ほどに開いて、つま先を30~40度外側に向ける
③股関節を曲げ、肩幅くらいの手幅でバーベルを握る
④腰を落として胸をしっかりと張り、肩甲骨を寄せる
⑤膝を伸ばし、お尻を締め上げるイメージでバーベルを持ち上げる
⑥限界まで上げたら、胸は張ったままバーを下ろしていく
スモウデッドリフトは以上の動作を繰り返します。
1セット目はフォームの確認をしたり、メインセットで最大限の筋力を発揮させるために、疲労が残らない程度に筋肉を慣らします。
2~3セット目はかなり重い重量を使い、ターゲットとする筋肉を限界まで追い込みます。
セット間はインターバルを2分~2分30秒ほどとり、水分を補給したり、呼吸を整えましょう。
スモウデッドリフトの効果を高める4つのポイント
最後に、スモウデッドリフトの効果をより高めるポイントについて紹介します。ポイントは以下の通りです。
直立した姿勢を保つ
通常のデッドリフトでは、肩幅くらいの狭い足幅で行うため、上体を前傾させる必要があります。
一方で、スモウデッドリフトは広い足幅をとるため、身体を前傾させると動作がしにくくなり、ターゲット部位に効かせるのが難しくなります。
スモウデッドリフトを行うときは胸を張り、背中や腰が丸まらないように、上体を直立に真っすぐ保つことが重要です。
バーは常に体の近くにあるようにする
スタートポジションでは、バーベルは脛(スネ)に当たる直前に置きましょう。そして、身体に沿わせるようにバーベルを動かすように意識してください。
バーベルを身体から離してしまうと、腰が大きく曲がってしまうため、腰を痛めるリスクが高まります。
バーを体の近くで垂直に動かせているか常に意識し、遠ざけないように注意しましょう。
つま先は外側に向ける
通常のデッドリフトではつま先が内側に向いていますが、スモウデッドリフトでもつま先を前に向けた状態で行うと、膝に大きな負担がかかります。
スモウデッドリフトでは、つま先と膝は30~40度ほど外側に向けることが大切です。
外に向けることで、内転筋に負荷をかけやすくなるというメリットもあります。
上げきったときに背中を反らさない
バーベルを上げきった(ロックアウト)ときに、背中を反らさないように注意して下さい。
背中を反らしてしまうと、腰への負担が大きくなるため、腰を痛めて腰痛の原因になります。
まとめ
今回は、スモウデッドリフトの正しいやり方やポイント、通常のデッドリフトとの違いについて詳しく紹介しました。
スモウデッドリフトは内ももやお尻の筋肉を重点的に鍛えることができ、下半身を強化したりスポーツのパフォーマンスを高めたい人におすすめの種目です。
高重量を扱うことからフォームが崩れやすいため、最初は軽い重量でフォームを固めていくのが理想です。
・内転筋
・大臀筋
・大腿四頭筋