肉体改造やダイエット目的のために筋トレを始めた人の中には、「筋トレは毎日やってもいいのか」と疑問に思う人もいるでしょう。
基本的には、毎日筋トレを行うと筋肉の成長が遅くなったり、オーバーワークにより怪我をしやすくなるので、おすすめしません。
本記事では、筋肉が発達するメカニズムや毎日の筋トレはおすすめしない理由、筋トレの頻度と具体的なメニュー例などについて紹介していきます。
Contents
筋肉が発達するメカニズム

まずは、筋肉が大きくなるメカニズムについて解説します。
筋肉がどのように成長するのかを知っておき、自身の身体作りに役立てましょう。
トレーニングで全ての筋繊維を破壊する
筋肉は筋トレ中に発達すると勘違いされやすいですが、筋トレはあくまでも筋肉を成長させるためのスイッチのようなものです。
筋肉とはそもそも、非常に細い筋繊維が一本一本束になって構成されているものであり、身体を動かすと筋繊維にミクロ単位で傷がつきます。
そして、筋力トレーニングにより全ての筋繊維が破壊されると、脳は「筋肉がなくなると命の危機があるから筋肉を強くさせよう」と認識し、筋肉を大きくしようとします。
つまり、筋肉を発達させるためには、高負荷のトレーニングで筋肉を破壊させることが最初のステップです。
食事で筋肉の栄養を補給する
トレーニングで筋繊維を破壊したとしても、材料となる栄養素が不足していると、筋肉は修復されず強くなりません。
筋肉はタンパク質で構成されているため、タンパク質をメインとしたバランスのよい食事をすることで、筋肉を太く発達させることが可能です。
また、筋肉は体内のエネルギーが満ちた状態でつきやすくなるので、オーバーカロリーにさせる必要もあります。
「消費カロリー<摂取カロリー」を保ちつつ、タンパク質も確保しなければならないので、普段の食事よりもかなり食べなければ、筋肉の発達は期待できないでしょう。
休息をとって筋肉を修復させる
筋肉は身体を休ませている間に、トレーニング前よりも強く、より強固になろうと成長します。
この現象は「超回復」と呼ばれており、筋肉の部位にもよりますが、以前よりも強くなるには48~72時間ほどかかります。
つまり、筋肉がしっかり回復していない状態でトレーニングをすると、修復が破壊に追いつかないため、同じ部位のトレーニングをする場合は48~72時間の間隔を空ける必要があります。
また、睡眠中には筋肉の合成を促進させる成長ホルモンが大量に分泌されるため、質の高い睡眠を1日6時間以上とることで、筋肉は大きくなりやすくなります。
筋トレは毎日しても大丈夫なのか?

筋トレを始めたばかりの人は「毎日筋トレをしてもよいのか」と疑問に思いますが、結論から言うと、筋トレは毎日行うべきではありません。
上記でも軽く触れましたが、ここでは毎日の筋トレおすすめしない理由について詳しく解説します。具体的な理由は以下になります。
筋肉の成長が遅くなる
筋肉が成長するメカニズムでも解説しましたが、筋肉は筋トレ中に大きくなるのではなく、休息している間に成長します。
筋トレを毎日すると筋肉が回復する前にまた傷つけてしまい、十分に回復しないため、筋肉の成長が遅くなるばかりか、全く発達しないという場合もあります。
筋肉を効率よく大きくするためには、筋トレは毎日ではなく少ない頻度で行い、休息日の日にしっかりと身体を休ませることが重要です。
怪我のリスクが高まる
筋トレを毎日すると常に疲労感があるように感じ、無意識のうちにフォームが崩れやすくなります。
フォームが崩れた状態で筋トレに取り組むと、関節や靱帯に余計な負担がかかるため、怪我のリスクが高まります。
また、筋肉自体にもそれなりの負担がかかり続けるため、最悪の場合は筋断裂を引き起こす恐れもあります。
筋トレがマンネリ化する
筋肉は刺激に慣れるという性質を持っているため、毎日同じ重量やセット数といった条件で筋トレをしていると、筋肉の成長がストップしてしまいます。
これが筋トレのマンネリ化であり、筋肥大効果や筋力アップなどが見込まれないので、モチベーションも下がりやすくなります。
もしも高頻度で筋トレに取り組みたい場合は、
などの方法がおすすめです。
日常生活に支障をきたす
筋トレはストレス解消や健康増進にも効果がありますが、それだけ身体に負担がかかります。
毎日筋トレをするとなると、筋肉痛や疲労感も徐々に溜まってくるので、仕事や学校、勉強など日常生活に悪影響を及ぼすこともあります。
筋トレが人生の中で最も大切であるとなれば話は別ですが、プライベートもそれなりに充実させたい場合は、筋トレとのバランスを上手く調整しましょう。
筋トレの理想的な頻度とメニューの組み方

上記でも述べましたが、筋肉の回復には部位にもよりますが、基本的には48~72時間ほどかかります。
筋肉を効率よく発達させるためには、
・週に3~4回の頻度
・1部位を鍛えるのは週に2回
というトレーニング内容がベストです。
トレーニング後の48時間以内に同じ部位のトレーニングをしてしまうと、筋肉が修復されずに逆に落ちたり、怪我のリスクが高まります。
ここでは、筋トレを週3回と週4回行う場合のスケジュール例やトレーニング内容について紹介します。
週3回の場合
曜日 | トレーニング内容 |
月曜日 | ・インクラインベンチプレス ・バラフライマシン ・ベントオーバーローイング ・シーテッドローイング ・ダンベルカール |
火曜日 | 休み |
水曜日 | ・ショルダープレス ・サイドレイズ ・スクワット ・レッグエクステンション ・フレンチプレス |
木曜日 | 休み |
金曜日 | 休み |
土曜日 | ・ベンチプレス ・インクラインダンベルフライ ・アップライトロウ ・ベントオーバーローイング ・チンニング ・レッグプレス |
日曜日 | 休み |
筋トレを週に3回行う場合、
というスケジュールがおすすめです。
1週間のうちに4日も休養日があり、食事や休息を十分にとれるというメリットがあります。
全身トレーニングの日はかなり体力が必要になるので、トレーニング前にしっかり食事をとり、トレーニング中はサプリメントを摂取するのがよいでしょう。
週4回の場合
曜日 | トレーニング内容 |
月曜日 | ・ベンチプレス ・インクラインダンベルフライ ・ベントオーバーローイング ・チンニング ・ダンベルカール |
火曜日 | 休み |
水曜日 | ・ショルダープレス ・サイドレイズ ・スクワット ・レッグエクステンション ・フレンチプレス |
木曜日 | ・インクラインダンベルベンチプレス ・バタフライマシン ・デッドリフト ・シーテッドローイング ・バーベルカール |
金曜日 | 休み |
土曜日 | ・ミリタリープレス ・アップライトロウ ・ブルガリアンスクワット ・レッグカール ・ケーブルプレスダウン |
日曜日 | 休み |
筋トレを週に4回行う場合、
というスケジュールで鍛えるのがおすすめです。
週4回の筋トレでは全身トレーニングをする必要がなく、1部位を週に2回しっかりと追い込めるというメリットがあります。
これらのスケジュールはあくまでも一例なので、柔軟に変えていき、自分に合ったやり方を見つけましょう。
筋肉を効率よく成長させる3つのポイント

最後に、筋肉を効率よく大きくするためのポイントを紹介します。
短期間でボディメイクを成功させるためにも、確認しておきましょう。
①筋トレは短時間で終わらせる
「筋トレを長時間ハードに行うことで、筋肉は発達しやすくなる」と思われがちですが、これは間違いです。
トレーニング時間が長くなるにつれて、ストレスホルモンであるコルチゾールが分泌されるようになるため、筋肉が分解されてしまいます。
つまり、筋トレの時間が長くなるほど、逆に筋肉を失ってしまう可能性が高くなるので、筋トレは45分以内、長くても1時間以内には終わらせることが大切です。
筋トレを頑張っているのになかなか筋肉がつかないと悩んでいる人は、以下の記事も参考にしてみて下さい。
②タンパク質がメインの食事をとる
筋肉の材料はタンパク質であるため、タンパク質が不足していると筋肉は大きくなりません。
筋肉を効率よく成長させるためには、体重1㎏につき1.8~2.5倍(g)のタンパク質を毎日摂取することが大切です。タンパク質は
などに豊富に含まれているので、これらの食材を普段の食事メニューに取り入れましょう。
なお、食事だけでは摂取量をクリアするのは難しいので、プロテインを活用するのがおすすめです。
また、糖質は筋肉への栄養の取り込みを促進する働きがあるので、タンパク質と糖質はセットで摂るようにしましょう。
③睡眠をしっかりととる
筋肉は寝ている間に大きくなりますが、これは成長ホルモンが関係しています。
成長ホルモンとは脳下垂体から分泌されるホルモンの一つであり、身体に以下のような影響を与えます。
成長ホルモンが身体に与える影響
・筋肉を成長させる
・脂肪を燃焼させる
・骨や筋肉を保持する
・健康な皮膚や髪を作る
・血圧を下げる
・傷の治りを早める
・精神的な安定を保つ
・記憶力を高める
このように、成長ホルモンは筋肉の合成や回復を促すだけでなく、健康維持のためにも欠かせないホルモンです。
そのため、夜更かしをして睡眠時間を削っていたり、睡眠の質が低いと成長ホルモンがあまり分泌されなくなり、筋肉の成長も遅くなります。
筋肉を効率よく成長させるためには、最低でも6時間はぐっすりと眠れるように心がけましょう。
まとめ
今回は、筋トレは毎日行うべきではない理由や、筋トレの理想的な頻度やメニュー例を紹介しました。
毎日の筋トレは筋肉の成長を遅くするだけでなく、怪我のリスクを高めたり、日常生活に支障をきたす恐れがあります。
筋トレは週に3~4回のペースでゆっくりと行い、休息日はしっかりと食事や睡眠をとるように意識して過ごしましょう。
・トレーニングで全ての筋繊維を破壊する
・食事で筋肉の栄養を補給する
・休息をとって筋肉を修復させる