「筋トレをすると動きが鈍くなり、スポーツや競技のパフォーマンスが落ちてしまう」というのは、大きな間違いです。
筋トレを行うと筋力が発達し、全身の連動性が高まるため、スポーツに取り組んでいる人は筋トレを行うことが大切です。
本記事では、筋トレがスポーツの能力を高める理由やスポーツの筋トレのポイント、スポーツに活かせるトレーニング方法などについて詳しく紹介していきます。
Contents
スポーツのための筋トレは必要か?不必要か?
結論から言うと、スポーツのパフォーマンス向上のためには、筋トレは必要不可欠です。
未だに日本では、「筋トレをすると動きが遅くなる」「筋トレでついた筋肉は使えない筋肉」という風潮が残っていますが、これらの情報は全くの嘘で間違っています。
筋肉は力とスピードの源であり、筋肉を鍛えることで筋力や瞬発力を向上させることができますが、筋力や瞬発力が足りないと思うように身体を動かせません。
実際に、野球やテニス、サッカーなどの一流アスリート選手は筋トレをするのが当たり前になっており、しかも彼らが行っているのは軽い自重トレーニングではなく、高重量を扱ったウェイトトレーニングです。
筋トレがスポーツの能力を高める3つの理由

次に、筋トレがなぜスポーツや競技のパフォーマンスを高めるのか、その理由を解説します。具体的な理由は以下になります。
基礎的な筋力が向上する
基礎筋力とは、もともと自分たちの体に備わっている筋力のことです。この基礎筋力を高めるためには、
の3つを、筋力トレーニングでそれぞれ強化する必要があります。
筋トレをすることで上記の3つが強化、発達し、基礎筋力が向上することで、スポーツのパフォーマンスアップに繋がります。
専門的な筋力が向上する
専門的な筋力とは、専門とするスポーツや競技に必要になる筋力のことを指します。
これを向上させるためには、ただ単にダンベルやバーベルを使って筋トレをするのではなく、それに似た筋力トレーニングを行うことが大切になります。
例えば、野球ではバットをしっかり振るための筋トレ、サッカーでは当たり負けしないための筋トレ、柔道では相手の体を思い切り引くための筋トレをする、ということです。
それぞれのスポーツ・競技で使われる筋肉は異なるので、自分が取り組んでいるスポーツの動きに合った種目に取り組みましょう。
全身の連動性が高まる
筋トレをして上半身と下半身をバランスよく鍛えると、身体の連動性がより高まります。
全身の連動性が高まると、下半身のパワーを上半身に上手く伝えられるので、力を最大限発揮できる身体を手に入れることができます。
一方で、連動性が低いと体をスムーズに動かすことができないので、スポーツや競技をしている人は、全身の連動性を高めることも大切です。
スポーツのための筋トレのポイント

スポーツの能力を高めるためには、筋肉量を増やすのではなく、動作を鍛えるための筋トレを行う必要があります。
ここでは、動作を効果的に鍛えるための筋トレのポイントを紹介します。ポイントは以下になります。
目的に合わせて重量を決める
重量の設定は、とても重要です。重量は重すぎても、軽すぎても効果が現れにくくなります。
一番よくない例が、「筋肉に効かせながら動かす」「追い込むまで行う」ということです。理由として、
ためです。
スポーツのための筋トレは、最大筋力の30~60%の比較的軽い重量を用いて、1回1回のウェイトを動かすスピードが常に100%になるように意識して行うことが大切です。
全身の力をしっかりと使う
例えば、ベンチプレスで胸に効かせる、デッドリフトで背中で引くなど、筋肉の一部分のみを鍛えるトレーニングとして行うと、スポーツには活かせません。
・ベンチプレス→全身の力で押し上げる
・デッドリフト→全身の力で立ち上がる
・スクワット→全身の力で引く
ように、全身の力をしっかり使うことで、ウェイトを動かすスピードを高めることもできます。
スポーツや競技に活かせるおすすめのトレーニング方法4選
最後に、スポーツの能力を高めるのにおすすめなトレーニングを紹介します。
どの種目も難易度が高いですが、スポーツや競技で結果を残せるような身体を手に入れるためにも、チャレンジしてみて下さい。
①ベンチプレス
①フラットベンチに仰向けに寝転がる
②両手でバーを握り、手幅は肩幅の1.5倍にする
③肩甲骨を寄せて、胸をしっかりと張る
④ラックからバーベルを外し、腕を伸ばして構える
⑤肘を曲げて、乳首辺りに向けてバーを下ろしていく
⑥胸につく直前まで下ろしたら、曲線を描くようにバーを持ち上げる
ベンチプレスは筋トレの中でも代表的なトレーニングであり、上半身を総合的に鍛えることができます。
大胸筋や三角筋、上腕三頭筋に効果があり、上半身を効率よく逞しくさせることが可能です。
✓ポイント
・両足をしっかりと踏ん張る
・手首を反らさない
・肘を伸ばしきらない
②スクワット
①パワーラックにバーをかけて、重量を調整する
②僧帽筋の上部にバーを担いで、ラックからバーを外す
③肩幅くらいに両足を開き、つま先はやや外側に向ける
④胸を軽めに張り、目線は正面に向けておく
⑤膝を曲げて、腰を深く落としていく
⑥太ももが地面と平行になるまで落としたら、膝を伸ばして元の位置まで戻る
スクワットは「キング・オブ・エクササイズ」と呼ばれるほどメジャーな種目です。
下半身の筋肉を高負荷で鍛えることができ、ダイエットや筋力向上に効果があります。
✓ポイント
・背中を丸めない
・体幹部に力を入れる
・お尻を突き出すイメージを意識する
③スナッチ
①肩幅くらいに両足を開いて立つ
②お尻を後ろに突き出すように、膝を曲げて腰を落とす
③肩幅よりもかなり広い手幅でバーを握る
④バーを膝の辺りまで垂直に持ち上げる
⑤バーが膝を通過したら、反動を使って頭上まで一気に持ち上げ、深くしゃがむ
⑥膝を伸ばし、直立姿勢を少しキープする
⑦腕を下げて、床までバーを下ろす
スナッチは「クイックリフト」と呼ばれており、全身の力を使って床にあるバーを頭上まで一気に持ち上げていきます。
フォームが複雑で難易度がかなり高いトレーニングですが、瞬発力や連動性を高めるのに効果があります。
✓ポイント
・瞬間的に持ち上げる
・肘を伸ばしきる
・バーは頭の後ろに上げる
④ターキッシュゲットアップ
①床に仰向けに寝転がり、ダンベルを片手に握る
②ダンベルを持った腕を真っすぐ伸ばし、同じ側にある膝を曲げる
③反対側の手でバランスを支えながら、上体を起こしていく
④腰を高く上げ、伸ばしている足を後ろに動かし、一歩下がるように膝を床につける
⑤ダンベルを上げたまま、身体を押すように立ち上がる
⑥完全に起きたら、同じ動きで元の位置まで戻る
ターキッシュゲットアップは床に寝転んだ状態から、ダンベルを握ったまま起き上がるトレーニングです。
肩の筋肉や体幹部、お尻、太ももなど全身が満遍なく鍛えられ、運動能力の向上や身体のコンディションを整えるのに効果的です。
✓ポイント
・常にダンベルは高く上げておく
・手首を反らさない
・バランスを崩さない
まとめ
今回は、筋トレがスポーツの能力を高めてくれる理由や、競技に活かせるトレーニング方法について紹介しました。
日本では「筋トレはスポーツの邪魔になる」という認識が未だに溢れていますが、筋トレをすると筋力や瞬発力が向上するために、パフォーマンスアップに繋がります。
最大筋力の30~60%のウェイトを用いて、なるべく早いスピードを意識して取り組みましょう。
・基礎的な筋力が向上する
・専門的な筋力が向上する
・全身の連動性が高まる